11月の旅 ディーゼル音とみかん畑と太平洋 

旅をするよ、と息子が言った。11月に。四国JRのバースデー切符で。 誕生月なら1万円ほどで3日間、特急も乗り放題という切符が今年度いっぱい。同行者も同じ切符を使えるというので、私も一緒に行くことにする。22日午後、松山で会いましょう。 はじめてのバ…

トラップ

凄い勢いで日にちが過ぎるので、書き忘れそう、いろいろと。 11月1日、覚えやすい日に生まれた子は19歳になった。その日に、大学の教授からレポートの不備で呼び出されて、行ったら、数字が1つ間違っていたらしい。その間違った数字が過去の実験の数値とたま…

花電車と虹と

3年ぶりのおはら祭に花電車が出ていて、私の子は、毎日花電車を追っかけていて、写真を送ってくれたりしていた。私もその花電車を見たくなり、というわけでもないが、そろそろ寒くなってきたし、冬物衣類も持って行かねば、と思って、10月終わり鹿児島まで行…

フリーズちゃん

「フリーズちゃんの名前をおぼえてる?」と、息子に聞いてみたら、彼は覚えていた。さすがだな。1週間ほど鹿児島に行ってて、夜、おはら祭りのあとで、コーヒー飲みながら。 フリーズちゃんは、息子が小学校2年のときの最初の担任だった。どこにも名前が残っ…

王冠 

しばらく、このページを一番上にしておきます。 クラウドファンディングの応援ありがとうございます。ひたすらに成立を願ってます。12月2日まで。 去年亡くなった歌人、蝦名泰洋さんの歌集を出版したい(野樹かずみ 2022/10/04 公開) - クラウドファンディ…

てんびんばかり

金木犀が匂ってきて、10月になったなって思ったばかりの気がするのに、もう半ばを過ぎた。春から夏にかけて、ずっと肩が痛くって、ほったらかしだった庭と畑(管理放棄地を無料で使用)が、すごいことになっていて、10月は町内会の掃除もあるから、それまで…

蝦名泰洋さんの歌集のために クラファン始まりました

蝦名泰洋さんの歌集を出版したい。クラウドファンディング始まりました。応援よろしくお願いします。こちらからご覧ください。 https://readyfor.jp/projects/105853

蝦名泰洋さんの歌集出版のために クラウドファンディング準備中

クラウドファンディング始まりました…10月4日から12月2日まで。こちらからご覧ください。 https://readyfor.jp/projects/105853 歌人の蝦名泰洋さんが亡くなって、はやくも1年2か月が過ぎました。(2021年7月26日逝去)。生涯の最後に、蝦名さんは、野樹との…

変成男子

先月、帰省の折に遊びに行った、雲の上の図書館。四国山地のなか、高知県梼原町立図書館だけれど、隈研吾の建築が楽しい図書館。そこで見かけて、欲しくなったのでした。 植木雅俊訳「法華経」。 高校生のとき、世阿弥や梁塵秘抄、読んでいたら、法華経の話…

グラスノスチ

8月の終わり、ゴルバチョフ氏が亡くなった。ソ連邦の最後の指導者の。生きてることも忘れていたけれど。ウクライナ侵攻のあとに、テレビで見た。即時停戦を語っていた。1991年だった。蝦名さんの「モスクワの羊飼い1980」(のちに歌集「イーハトーブ喪失」に…

夢花火

息子は鹿児島を9日に出て、11日に別府からフェリーで八幡浜に渡るっていうから、じゃあ、八幡浜の港で合流して、宇和島に帰ろうか、ということになった。その9日に、息子は電車のなかでスマホと学生証紛失したらしい。幸い翌朝見つかって、九州のとある駅か…

生はさいころ死はやつぎばや

天満橋、天神橋のつぎの橋生はさいころ死はやつぎばや (蝦名泰洋) 去年の7月26日に亡くなった。蝦名さん亡くなって、ああ、1年たつんだなあと思っていたら、 今年の7月26日に、ニュースが告げたのは、ある死刑の執行。秋葉原の無差別殺人の。犯人が、ぼくと…

人待てば

いまごろ、こんなもの出てくるなんて。押し入れには、紙屑をつっこんだ段ボールが、いくつか埋まっている。その段ボールには触りたくなかったのだが、ほかのものを探すついでに、ふと開いた。ふと手にとったら、30年ほども昔の友だちからの手紙。何が書かれ…

七夕から1日ずれて

8月になる前に載せておこう。 詩誌「みらいらん」10号に書きました。7月6日は。 七夕から1日ずれて、今年7月8日の銃撃事件。容疑者が死刑にならなければいいなと思ってる。容疑者のTwitter消されてしまったんだけど、その前に読んだけど、また読み返したか…

赤松はひとつのこらず鏡ゆゑ出口のあらぬ赤松林 渡辺松男「牧野植物園」 歌集最初の一首から、たまんないな、と、こころよくくらくらさせられながら、読み終えた。蝦名泰洋さんが、渡辺さんの短歌を好きだって言ってた。たしかに好きだと思う。短歌の話、歌…

エル・フィリブステリスモ

鹿児島の息子のところに、運んでやらなければならない荷物があって、電子ピアノの足、在庫がないので工場から届くのを待っててっていうのが、工場は上海で、コロナでロックダウンで、2か月も待ってたのが、届いたので、そのほかのものとあわせて、運ぶことに…

SO HERE I AM

『だから私はここにいる SO HERE I AM』 という本は、とてもよかった。エリザベス1世のほかは、だいたい19世紀から現代までの、女性のスピーチ集。1830年代に女性の権利を求める運動が西欧ではじまってから、女性が演壇に立つようになった、らしい。それまで…

合歓眠る

合歓眠る どこの国にも属さない言葉でだれかグッドバイしてる 蝦名泰洋「イーハトーブ喪失」 畑の、合歓の花が咲いて、ああ梅雨が来たな、と思っていたら、もう梅雨明けだっていう。え、まだ気持ちが追いついてゆきませんが。鹿が、たぶん夜中に道を走ってい…

dear...

レティ先生の誕生日。生きていたら80歳。家族はにぎやかにお祝いしたでしょう。 海辺のレティ先生の写真は1999年8月。日本にいた甥のアルが、あの頃フィリピンに戻っていて、海へ行こうよ!ということになった。ゴミ山からの臭いがひどかったので、脱出しよ…

ぼくたちの失敗

ぼくたちの失敗、という歌があったな、そういえば、と、ふと思い出したりしたのだった。森田童子の歌のタイトル。その歌を昔聞いていたわけでもないんだけれど。ぼくたちの失敗、という言葉が。いやもう、なんというか。 それから、蝦名さんの短歌を思い出し…

行楽日和

行楽日和だった。 28日から、鹿児島。息子のところに、まだ運ばなければならない荷物があったので。電子ピアノとか。中国山地は、やあ、春が来たなあ、という感じだったのに、九州を南に行くにつれて、山の緑の迫力が違ってきて、着いた頃には、初夏の感じ。…

フェニックス

フェニックスの街に、息子を置いてきた。 3月31日。車に布団や服や折り畳みの机や炊飯器などなど積み込んで、出発。雨が降るなか息子の引っ越し。そういえば幼稚園の卒園式も、小学校の卒業式も、高校の卒業式も、全部、雨だったな。 桜島が見えたら、到着。…

勇気100パーセント

庭のクリスマローズと沈丁花が咲いている。向かいの森の桜(電柱の移設工事のときに枝を切られて、さんざんな姿なのだが)も咲いている。春は来たのだ。まだ寒いけど。 旅から帰った日の夜、ピアノの、最後の教室だった。幼稚園の頃から、毎年、エレクトーン…

父の古墳

息子、友人たちと四万十川に卒業旅行に行く、と出かけた。3月16日。1泊2日、松山、宇和島、高知をまわる旅。四万十川では、予土線の江川崎で降りて、次の列車がくるまで、男子4人、河原で、石積んで遊んでたらしい。ほかにすることもないね。 それなら、私た…

旅の衣

春。無事に大学受かったので、子どもは家を出ていくことになった。行ける先があってよかった。受かったので、ここまでの事象の全部に感謝できるのがありがたい、と彼は言ってる。それはたしかにありがたい。 そんで、手続きとか引っ越しの準備とか、親族への…

春の別れ

先月末、受験に行ったのが、ほぼ1年ぶりの旅。九州新幹線にはじめて乗った。いつも青春18きっぷだったので。この街に住みたい、と着いてまもなく息子が言った。はじめてなのに安心する。街の空気感がいい。ぼくみたいなのでもいていいかなと感じさせてくれる…

ガチャ

なんだか長い冬だった。共通テストのあと、息子は学校に行くのがいやでしょうがなくなった。いろいろ我慢してきたのが、我慢ならなくなった。学校や教師への不信と失望が、吹き上げてきた。 数学がわかんなくて、でも避けて通れないから、格闘してきた彼は、…

iがわからない

数学に、複素数平面とかいう単元があるらしい。聞いたこともないよ。息子が説明してくれようとするが、i=虚数、と出てきた時点で、脳がストップした。無理無理、iはわからない、と言ったとき、いろんなことを思い出した。 私は、愛がわかりませんでした。 …

糸電話

糸電話、という言葉。スマホは糸電話に似てたな。蝦名さんは、最後までガラケーだった。 詩誌「みらいらん」9号では、青森の詩人の船越素子さんも「クアドラプル プレイ」を、紹介してくれていました。糸電話、という言葉が沁みました。ほんとうにそんなだっ…

事故祭典

「Gallows Humor(絞首台ユーモア)」って言葉があるらしい。少し遡るけど、共通テスト絡みのツイートは凄かった。恐い蟹は、2日めにいて、数1a超絶難化だったみたいね。息子もさんざんだったんだけど、あの日あのとき、私は受験生たちのツイートを読んでた…