お金の計算

ちびさん、6両編成の電車と6両編成の電車が連結すると、12両編成になるとか、8両編成と8両編成だと16両編成になるとか、すらすら計算する。
ので、それくらいの足し算はできるのかと思っていたんだが、
10円と2円で、12円になる、ということがわかっていない、ということが発覚。

お金の計算なんて、そのうち覚えるもんだと思っていたが、それはお金を使っていたら、の話であると、今さら思いいたった。ふだんの買い物、パパのカードだし。現金でお菓子買ったりしないし。家のなか現金がほとんどないし。

で、ない現金を探して、10円玉しかないちびさんの財布に、1円玉と5円玉と50円玉と100円玉を加えてやって、説明するが。

難しいのだ。

50円と10円で、「ごひゃくじゅうえん」とか、
10円と1円で、「ひゃくいちえん」とか、

ああ、そんなにお金が増えていったら、すてきだが。

「お金は覚えてよ。お金の計算ができないと、だまされるよ。一生懸命ゴミ拾って、お金にかえようと思っても、この子計算できないとわかったら、ほんとはたくさんもらえるのを、ちょっとしかもらえなかったりするんだから。」

とか、思わず熱くなって、言っていたら、パパが大笑いする。

「まず、ママにだまされる。」

あ、

昔、年の離れた兄が帰省したとき、1円玉のいっぱい入った豚の貯金箱をくれたことがあった。1円玉がいっぱい、というのは魅力的で、小学校の低学年だった弟が欲しがった。それで、1円玉と10円玉を交換することにした。
10円玉1個で1円玉3枚、ときどき4枚。たくさんの1円玉が減っていくんだから、相場はそれくらいでないと、つり合わない、と私は思ったんだったが、それを母に見つかって、ひっぱたかれましたね。
「弟をだますなんて、おまえはなんという悪いやつだ」
豚の貯金箱も私も、部屋の端から端までころがった。 

という前科があります。

うーん、理解してくれ。だまされてはいけないのだよ。1円玉は3個で10円じゃなくて10個で10円。3個で30円にもなりません。3個は3円。