星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

ビワとカラス

庭のビワの実がたくさんとれたらしく(しかも鳥に食われなかったらしく)おじいちゃんがこないだもってきてくれた。おじいちゃんはもちろん、孫に食べさせたかったのだが、孫のほうは、
「あー、ぼく、それは食べたことがないから、食べられないんだ」
などと言う。食べたことがないから、食べてみるんだよ、と、どんなに説得しても、甘いよ、とか、おいしいよ、とか言ってみても駄目で、食べなかった。
食わず嫌いだらけである。
小学校に行ったら給食あるんだが、どうするのかな。

ビワを食べれなかった子をもうひとり(一羽か)知っている。
カラスのカアコだ。

小学校3年ぐらいのときかな。巣から落ちたカラスのひなを、父の仕事仲間が拾って、それを父がもらってきた。小屋をつくって、そのなかでしばらく飼っていた。悪食である。なんでも食う。どんどん大きくなった。
しかし、飛べない。親から飛び方をならっていないのだ。
「ほら、飛んでごらん」と空に放すと、もうびっくりしてあわてふためいて、ばたばた空中であがきながら、……落ちてくる。
こわがって私の髪の毛にしがみついたり、爪たてたりするのの、痛かったこと。
さて、ビワの実をカアコにやろうと、小屋に入れてやったら、ビワの実まるいのだ。くちばしでつっつくと転がってゆく。転がらないように、足でふんづけると、カアコが転ぶ。ふんづけてころんで、ふんづけてころんで、何度も何度もふんづけてころんでいる、その様子が、おかしくて、かわいそうで、忘れられないが、とうとう、食べることをあきらめて、ビワを小屋の隅にやってしまった。

そのあと、どうしたのかな。皮向いてつぶして食べさせてやったりしたかな。それとも私がとりあげて食べたかな。思い出せないや。

カアコ、ある日学校から帰るといなくなっていて、母が言うには、蛇にねらわれて、狭い小屋のなかで、しつこく蛇がからんでくるのを怖がっていたのがかわいそうで、土手のほうに連れていって逃がしてやったらしいのだが、あの子飛べないのだが、どうやって生きたろう。