パアララン・パンタオ2014年10月 ➄

10月30日木曜日。
朝、眠くて起きれない。夜中にキャビネットの上のネズミと目があったせいだと思う。ダガー、っていうのだ。タガログ語でネズミ。
天井のやもりが鳴くのはかわいいが、ネズミどうしていいかわかんない。見えないところにいてくれればいいんだけど、寝てる間に齧られたらどうしようかと。
「悪さはしないよ」とここの人たちは平然としている。ときどきごきぶりホイホイにひっかかってるけど。

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起きると、午前のクラスはそろそろ終わる頃だった。「明日はクラスは休みだからね」ってレティ先生が言ってる。
土曜日が万聖節(オールセイントデイ)で、みんなお墓参りに行く。前日から田舎に帰る家族も多いので、クラスもあらかじめ休み。
マリアペレ先生、パヤタスカードをつくっている。子どもたちの絵を、色画用紙のカードに貼っていく。これにレティ先生のサインを入れて、領収書代り、寄付下さった方に送るのだ。子どもらの絵、おもしろい。ツインの太陽があった。どこかちがうプラネットだよねえ。

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レイナルドからペレに電話があって、いま、バランガイセンターにいるって言う。じゃあ行こうか。 レイナルドにも見せなきゃ、本。
ペレと一緒にバランガイセンターまで歩く。ここがいまのレイナルドの職場。レイナルドはパアラランの最初の奨学生だった。
何年ぶりかな。こないだ会ったときに、奥さんのお腹のなかだった3番目の子が2歳だというから、それくらいぶり。
本を1ページずつめくって、写真を見ていく。この子はうちの近所の子で、もう結婚してお母さんになったよ、とかそんな話をする。
「私は、2種類の写真をもっていて、ひとつはここにのせたやつ。まだ太ってないよね。もうひとつは最近の。太ったやつ。ビフォーアフターのビフォーの方にしましたよ」
それはグッドチョイスだ、と笑う。

それからマジョリーのお店に寄って、久しぶりね、元気? みたいな挨拶をする。
マジョリーの店の横に小さなゲームセンターができている。
歩いたら、少しの距離なのに暑くて疲れた。
朝出かけた、ジンジンとラリーさんが、飲料水のタンクとか、鉄パイプとか、いろいろ大きな買い物をして帰ってくる。 
午後のクラスに弟を連れてきたお兄ちゃんが、なぜか泣きべそをかいている弟を、弟が教室に入ってからも、門の外から、心配そうにしばらく見つめていた。

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ごはんのあと、レティ先生とペレとペレの末っ子の3歳のアヤちゃんと出かける。
レティ先生は、また銀行に行かなければいけないっていう。マーケットで換金してもらえなかったドル紙幣があって、それをもう一度銀行で換金する。その他いろいろな用事。

途中でレティ先生たちと別れて、私は留学生につきあってもらって、マニラに行く。LRTとかMRT、マニラのライトレールに乗る。混んでるのに、必ず目の前の人が席をゆずってくれてうれしい。私若くないので、喜んですわる。
カリエドのあたり、イントラムロスやキアポも近いのだろう、スペイン統治時代の面影もある、オールドマニラ。物乞いの子や路上で寝ているおじいさんや、汚れた川の強烈な臭いと、立派な建物とが、交互に目にはいる。

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駅の階段で、物乞いしていた女の人は、小さい子ふたり連れていた。とても久しぶりにマニラの雑踏を歩いた。
夕方、レティ先生たちと合流して帰る。

帰ると、エラプ校の先生たちが来ている。うれしい給料日。レティ先生がお金をもって帰るのをみんな待っていた。
ロウェル君も、学校への支払いの領収書もってやってきていた。
レティ先生とベイビー先生が給料の計算している間、あれこれおしゃべり、「アナリザは来年、教員の試験を受けるよ」とか、「マリリンも来年受けるよ。彼女は落ちたら坊主にするんだよ」とか、とか。

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夜中に帰ってきたグレースは、そのまま朝まで、経理のレポートをタイプしている気配だった。
翌日、それを見ながら、レティ先生が説明してくれる。1年分の先生の給料、水代電気代、備品その他。学校の運営状況について。