点Pの仕事

朝、バス停に行くと、バスは出た後、次のバスは1時間後……待っていられないので歩くことにした。てくてく。てくてく。よく見る花だけど、名前を知らないなとか、よく草笛にして遊んだ葉っぱだけど、こんな花が咲くとは知らなかったとか、道端の発見いろいろ。Cimg7776



一番近い郵便局まで、1時間歩いた。バスや車だとあっというまだけど、歩けば1時間かかるのか。

小学校も歩けば1時間かかる。スーパーとコンビニは、20分くらいかかるかな。まあそういうところに住んでいる。

郵便局でお金をおろして、それからバスで1時間かけて市内まで。銀行に行って、パアラランに送金。助けてくださるみなさま、ありがとうございます。まず新学期を迎えるための2か月分、送金できた。そのあとはまたこれからなので、いつものことながら、すごい自転車操業で、どうしてこれで20年以上やってこれているのか、不思議でしょうがないですけど、ほんとうにみなさま、ありがとうございます。

外為法は毎年のようにあれこれ変更があって、書類のチェック事項が増えたり、いろいろ厳しくなっているなあと思う。通帳も郵便振替用紙も全部提出して、お金の流れのすべてを報告する感じ。今回は、受け取り人の口座の名義だけでなく、名義が略称を使っているような場合は、正式な名前も記載する、というのが新たな変更点。Cimg7780




お昼の時間に間に合いそうだったので、学生の頃、卒業したあとも、ほんの10数年前もしばらくの間、アルバイトしていた喫茶店に行く。すごく久しぶりで、2年半ぶりぐらい。大学も移転して、近くの寮もなくなり、あたりの風景もすっかり変わったなかで、その店だけ変わってない。10数年前に開店30年って言っていたから、もう40年を超えていて、ママもマスターも後期高齢者になったっていう。
お好み焼き頼んだら、お好み焼きの上にハンバーグまでのって出てきた。アイスコーヒーも出てきた。おかわりも。

店はいまママとマスターとママの妹の3人でやっている。忙しかったみたいで、洗い場が山になっているので、十数年ぶりに、皿洗いしながら、なんだか、たった昨日もここにいたような感じがした。
たいへんなときもあるけど、続けられるものよ、と淡々とママが言う。
自分の仕事を知っている人は凄い、と思う。

大学生になって、生まれてはじめて働いたのがこの店で、伝統的に寮の女の子たちがバイトしていた。大学が移転する前で、店は毎晩学生でごったかえしていた。ママが調理して、マスターと寮の先輩がフロアーをやって、最初のころ、私はひたすら食器を洗った。週に何回か、5時間食器を洗って、2500円もらって寮に帰るのが、しあわせだった。
一緒にバイトした寮の先輩たちのことを、ふと思い出してなつかしかった。名前を、もう思い出せないんだけど。忙しければ忙しいほど、気づかいあって朗らかだった。
18歳のとき、そういう働き方を、教えてもらえたことはよかった。

で、伝票きってくれないし、代金とってくれないうえに、お土産にハンバーグ5つもらって帰る。Cimg7785




バスは、もよりの停留所まで乗ると60円高くなるので、ひとつ手前で降りる。市内電車も乗らなかったし、歩いたなあ。

帰ってきた息子は、数学のテストのできなかった問題の話をする。図形の上を点Pが動く問題。「点Pに止まれって言いたかったよ、もう。歩くな、走るな、そこを動くんじゃない」

だるまさんがころんだ、って言わなきゃ。でも点Pは動くのが仕事だからなー。
その問題、きっと定期テストで出るよ。点Pは点Pの仕事をする。

畑のいちご、日曜日78個、月曜日77個。