星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

疲れやすいのはしょうがない

「悲報です」と学校から帰ってきた息子が言ったのは、今年の体育祭は、入場行進があるかもしれない、ということだった。なんでも体育委員会がはりきっているらしいのだった。

去年、息子の学校の体育祭は入場行進がなかった。それを見て、なんていい学校だろう、と私は思ったのだったが。
生来の運動音痴で、体育の成績は、1と2しかもらったことがない私が、一番きらいな学校行事は、もちろん体育祭だった。なかでも嫌いなのが入場行進だったのだが、なぜ嫌いかというと、入場行進の練習が嫌だったのである。立って待っている時間が長いのが、もうほんとにしんどかったのだ。
だから、入場行進がない、無駄に疲れることをしない、という体育祭は新鮮で、息子のためにも嬉しく、受検してよかったよねと思ったのだが。

反対してもいいよ、せめて国民投票?にかけるとか、提案してみたら、と言ってはみたが、息子はしないだろうな。黙って我慢するだろうな。息子だけでなく、ほかの発達障害の子たちにとっても、しんどいことのはずなので、私が学校に言ってもいいよ、と言ったが、ぼくはただの運動音痴ということでいい、カミングアウトはしたくない、と言う。
しょうがない。もし入場行進があったら、不運だね。

息子が、中学受検を決めた最大の理由は、小学校の頃にいじめられたり、さわがしい教室で疲労困憊させられたので、連中と同じ中学なんて耐えられない、と思ったから。
親の思惑としては、高校入試を避けたいというのもあった。この県はなぜか、内申で、体育、技術家庭、音楽、美術の点数が、2倍されてカウントされるのである。まったく、不器用と運動音痴を抱えた子には、絶対不利な条件で、自分ではどうにもならないことについて、悔しい思いをすることになるのを避けたかったからでしたが。
ペーパーテストの点とまじめさの評価なら、5をつけるしかないほどがんばっても、あひると煙突しかもらえないのというのは、それだけでも悔しいが、そのできなさ加減が2倍にカウントされたら、やりきれないと思うよ。

こないだNHKが発達障害の番組をやっていて、一緒に見ていた。視覚過敏や聴覚過敏など、感覚過敏のことを取り上げていて、家族で、これ、わかるわかる、と言いながら、見ていた。過敏もあれば鈍感もある。またそれはひとりひとり違う。

息子は聴覚過敏がある。ときどきパンツを裏表反対にはいているから、皮膚の過敏もあると思う。(縫い目がささるパンツがあるのだ、笑)ほかにもあるかもしれない。
パパは聴覚、嗅覚が過敏、一昨年眼を手術してからは、視覚過敏もひどいようなのだが、それがどんな感じなのか、番組を見て、わかったのもよかった。
私も音の選別は難しい。まわりに他の音があると、人の声が聞き取れない。なので、家では、聞こえないよー、としじゅう言っている。換気扇がまわっていたり、水を出していたり、裏で雀が鳴いていたり、それらの音にまぎれて、聞き取れない。皮膚過敏もある。化粧に耐えられない。服のタグが痛い。化繊がだめ、ストッキングがだめ、体にぴったりした服は息苦しくて無理、体のバランスの関係なんだろうけど、踵の高い靴が履けない。
ついでに、じっと立っているのがつらい。立っているよりは動いた方が楽だし、すぐにしゃがみたくなる。いきおい、だらしなくなる。

自閉症の人はとっても疲れやすいんですよ。さぼり・ズルなんかじゃないんです。 という記事。http://www.komatteruko.com/entry/autism-chronic-fatigue

自分には自分の感じ方があたりまえなので、こんなに疲れやすいのが発達障害のせいとは気づかないわけだけど、そりゃまあ、こういう事情なら疲れるのがあたりまえだよねと、すこし自分を許してやっていいような気もした。

私はその気になれば仕事はできた。でもそれは、過集中の状態だからできたのだと思う。毎日フルタイムで働いたら、2年目で、目がさめたら油汗が出て、ついにバスに乗れなくなった。あれから、自分が毎日働けるとはとても思えなくなり、こわくて就職なんてできなかった。面接に行って、オフィスの女の子たちがタイトスカートをはいて踵のある靴で働いているのを見て、あ、無理、と思って帰ったこともあるなあ。
でもそんなこと、言ってもわがままとしか思ってもらえないしさ。
毎日でもフルタイムでもない、アルバイトやパートタイムなら、なんとかなったが、それはそれで、いつも一番忙しいところに投入されるので疲れる。働かない日は、寝るしかできない。なんかなあ、いつも動かない体をひきずりながら、生きていたような印象。
それでもって、自分はずっと怠けて生きているようで、そこはかとない後ろめたさを、抱え続けていたんだけども。

番組によると、発達障害は15人に1人らしい。ずいぶん増えた。息子が診断されたころは50人か100人に1人、という話だったけど。なんか心強いよ。理解がすすむといいと思う。発達障害の人がとにかくすこしでも生きやすくなるといいと思う。ほんとに、無駄に疲れる、無駄に責められる、無駄にいじめられる、ことが多すぎる。
いま、この家族がなんとか暮らしていけているのは、奇跡みたいなことだと思うわ。

最近、息子のピアノ友だちのY君とお母さんにしばらく会ってないんだけども、Y君はもっと過敏で、ほんとうに疲れやすい。なかなか学校に行けないから通信の教材を取り寄せて家庭学習しているが、数学の教材が、色が多くて、色の情報に気をとられて、内容を理解しづらいと言っていた。教材は2色ぐらいが適当と言っていたっけ。

雨。水やりをさぼれるのでほっとしている。いちごは、火曜日97個、水曜日66個。
庭のつるバラ、咲き始めた。ベランダの上でも咲いている。Cimg7788