ちんぷんかんぷん

息子の英単語の書き取りにつきあっていて、
なんでRとLをそんなに間違うの?ってきいたら、
「だってママの発音ひどいよ。RとLだけじゃないよ。SとTHの区別もないよ」
と言われた。
その通りだけど。

それで私の英語、うちでは「玉音放送」と呼ばれている……。

さかのぼれば、小学生のとき、ぜんそくで学校を休みがちだったのがことのはじまり。
私はローマ字を習わなかった。それで中学生になって、生まれてはじめて、アルファベットを習ったのだが。書けんかった。bとdなんてどっちがどっちか、さっぱしわからん。ヨnglishと書いて、どうして✕なのかがわからん。
また発音が。子音と母音がセットになってない音、子音だけの音が、居心地が悪くてたまらない。発音の悪さは、教師からも叱られたけど、叱られても無理だった。発音が、こんなに居心地悪いということは、英語のほうが間違っている、と思ったわけ。

100点満点の8点というすごい点数をとったのは高校1年のときだった。
よく大学入ったな。

……というお母さんなので、もう役に立たないから、勉強は自分でしてください。


大学で幸か不幸か英語が必修じゃなかったので、とらなかった。アルファベットから離れたかったから、中国語とロシア語とって、でもやっぱり語学はきらいで、試験のために覚えたのは「わかりません」という言葉だけ。ロシア語は、ヤー ニェ ズナーユ っていいます。中国語は、見てわからないのは「ウォ カンプトン」聞いてわからないのは「ウォ ティンプトン」。それを答案用紙にたくさん書いた記憶がある。
よく単位あったな。

だから、見ても聞いてもわからないのは「ティンプトンカンプトン」だな、今度、ティンプトンとカンプトンのお話書こうか、という話をしていたら、
「ちんぷんかんぷんは、ティンプトンカンプトンからきてるのかな」と息子。

どうなんだろう。そうだという説もあるようだし、ちがうという説もあるようですけどね。

それで私は英語、ちんぷんかんぷんなんだけど、でもかれこれ20年あまり、毎年フィリピン行ってて、なおかたくなにちんぷんかんぷんなのよね。
にもかかわらず、奇跡的に意思疎通できるのが、不思議だけど。込み入った英語が必要なときは、みんなに助けてもらっているのでした。

きみは助けてあげられる人になりなさいね。ちんぷんかんぷんを乗り越えて。ママの玉音放送も乗り越えて。