星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

きっとみんなそうよ

クラスに無駄にうるさい男子がいる。Nくんはしなくていい返事を元気にしたりしていて、参観日のときに私も名前を覚えてしまったが、美術や音楽の時間にクラスが騒がしくなる中心にいるから、耳の過敏のある息子は、かんべんしてほしいと思っている。たまに静かなときには眠っているらしいが、最近は突然叫んだり立ち歩いたりするようになってきた。そのNくんが精神科に行くっていう話は、Nくん自身が言ったらしい。
クラスにまた元気な女子のTちゃんがいて、教室が騒がしいときの女子の中心は彼女みたいだけど、朝、登校してきたNくんにTちゃんが声をかけた。
「診察、どうだったー?」
するとNくんは答えた。「おれ、障害あるってよー」
えーっ、とまわりの人たちはざわめいたが、(そーだろーなー)と息子は黙って思った。
診断名ははっきり覚えてないみたいなんだけど、ADなんとかと言っていると、Tちゃんが言った。「うちもそう言われとるー。注意欠陥なんとかかんとか」。(そーだろーなー)と息子は黙って思った。Nくんは忘れ物が多い。Tちゃんも係りの仕事をよく忘れる。
するとMくんという、騒がしい系の男子が「あー、おれもそうかもしれん」と言い、(そーだろーなー)と息子は黙って思った。
去年息子と同じクラスだった洪水ちゃんは、みんなのひとつの目安らしく、
「おれ、洪水ちゃんより、程度が重いと思う」とNくんは言い、「そんなことないよー」とTちゃんたちは言い、(どーだろーなー)と息子は黙って思った。
「きっと、みんなそうよ」と、あざやかにまとめたのはHちゃんで、体育祭のときに練習しろとうるさく言われたりして息子はやや苦手なのだが、(そうそのとおり。Hちゃんの言うとおりだ)と黙って思った。
まわりでカミングアウトがはじまっても、学校では猫を被りとおす、と決意している息子は黙っているのである。さながら隠れ○○○。ばれる筋にはばれてると思うけどね。

 

昼休み、担任がNくんに「そんなこと自分から言うもんじゃないよ」と言っていたのを、通りがかった息子は耳にした。(そういえば、洪水ちゃんでさえ、自分からは言わないもんなー、でも発達障害の本は読んでるし、読みながら廊下歩くから、しじゅう人にぶつかってるけどなー)と息子は思った。

ざっと、騒がしい系が注意欠陥のほうで、わがまま系が自閉スぺクラムのほう、と息子は理解している。そしてクラスメイトたちの障害由来の不手際のフォローは黙ってするつもりでいる。でも、騒がしい系でもわがまま系でも、同類であっても、根性が悪いやつら(どちら系にも1人2人いるらしい。名簿のNくんの名前のところに精神科などと落書きした子とか)とはつきあわないと黙って思っている。

「きっとみんなそうよ」ってHちゃんが言ったっていう場面で、私は大笑いだったんだけど、「いいクラスだね」って言ったら、元気なだけが売りだと担任は言っている、そうでした。「だってみんな、なんかいかれてるしこわれてるし」と息子。

  この星に生まれたことは素晴らしくわたしたちどこかこわれて、出会う

って短歌を、ずっと前に書いたなあ、って思い出した。