星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

春の旅 2日目、芸備線

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4月4日早朝、新見から倉敷へ。
息子ははじめて、私は18歳の秋以来だが、駅に降りても見覚えはない。駅は新しくて、つまり、どこの街の駅にも似ている。とりあえず美観区域へ。
大原美術館は、昔と変わっていないとは思うが記憶がない。
こんなだったかなあ、何にも覚えてないなあ、と思いながら、見て回っていたんだけど、ビュッフェの絵の前にきて、泣きそうになった。アナベルの像、という絵。たしかに昔、ここであなたに会いました。
18歳の私がここに立っていたことと、いま私がここに立っていること、その間の歳月を、アナベルの大きな黒い目がすっかり見ているような感じがした。
一瞬、ね。あんまりいろんなことを思い出したら、大変なので、さくさくと歩いていく息子のあとを追いかける。
松本俊介の「都会」の絵、美術の教科書に載っていると息子が教えてくれた。f:id:kazumi_nogi:20180406174700j:plain f:id:kazumi_nogi:20180406174748j:plain

駅にもどってコンビニでお茶と弁当を買って、もう一度新見に戻る。それから芸備線に乗って帰る。この旅の息子の目的のひとつは、芸備線全線走破なのだった。

鈍行列車の旅は、のんびり退屈なようで、けっこう慌ただしい。しじゅう乗換があるし、乗換一つ間違えたら、次の列車がないとか、その日のうちにたどり着けなくなるとかするし、いまどきどこでもコンビニはあるから、ごはんは食べられると思いきや、コンビニのない駅もふつうにあるし、山のなか、駅前に自販機がなくてお茶が買えない、というのもあった。
息子、キッズケータイで、先輩にメールして、何とか駅にはコンビニがないとか、何とか駅には自販機もないとか、情報を流している。そのメールが中国山地の山のなかでは、電波が届かない、みたいなことだったりする。

それでも、息子とはぐれなければ大丈夫。中国地方は、列車のなかにトイレもあるので安心。なんでも、いまはなき三江線が、昔トイレがなくて、女子高生がおもらしをするというかわいそうなことがあって、それがきっかけで、全線トイレ配備したのらしい。
四国はね、鈍行列車にトイレがない。特急すれ違いのために、ときどき駅でお待ち合わせの時間があるので、そのときに降りていくのだが、タイミングをはかるのとか、乗り遅れないかしらとどきどきするのが、わりと大変なのだった。
だから、息子が予土線の旅を考えても、おじいちゃんを誘えないのだが、いや、もしかしたら、母も不安かも。

山里の春は、桜は咲いているが、なんというか、なにもない、という感じ。
夕方、帰り着く。すこし雨。
楽しい旅でした。

旅の写真のなか、死んだ母にそっくりの自分がいて、息を呑む。うそでしょ?と思う。えー、お母さん、どうしてここにいるの?みたいな。
大原美術館に行ったのは、母が死ぬ1か月ほど前のことで、秋休みに、家に帰る勇気がなくて、京都の友だちのところに行く途中だった。そのあと、いろいろ覚悟して、帰省したんだけど。それで私は母よりすでに3年も長生きしてるんだけど、あんまり大人になった気はしていない。

宿題は全部終わったと豪語して、旅に出た息子だが、すこし見落としていたみたい、といまになって、国語のワークを開いている。嘘つけ、確信犯だろ。
今日から新学期。