教科書の短歌

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庭のドクダミ。もう梅雨入りしている。
試験前の子が、ふだん学校に置きっぱなしの国語便覧など持って帰ったので見ている。なつかしかったり面白かったり。
短歌のところ、正岡子規与謝野晶子石川啄木は、何十年変わらずに教科書に住んでいると思う。なつかしいというか、なんか、田舎に帰って、おじいさんおばあさんの遺影をみるような感じ。

私たちの頃にはまだ載ってなかったと思う。
岡井隆「眠られぬ母のためわが誦む童話母の寝入りし後王子死す」
寺山修司「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」
この二首たいへん好き。あと、俵万智穂村弘も写真入り。
歌だけだけど、笹井宏之「廃品のなかでひときはたくましく空を見上げてゐる扇風機」があって驚いた。亡くなって何年になるんだろうと数えたら、もう9年がたつのだ。たった昨日のことのようなのに。こんなところで、歌に出会うなんて。

中学生に何を読ませるか、編集の手つきも見えてくる感じ。
息子は穂村弘「校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け」が好きなんだって。これは石川啄木の「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」と一緒にずっと教科書に住むかもしれない気がする。地ならし用のローラー、もずっとあるかな。