翔べない鳥

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「みらいらん」2号。エッセイ書いたので貼っておきます。
手紙、たった一通の手紙で、人生のかたちがすっかりかわってしまうということが、人生にはある。本当にある。たいへんなことでした。すばらしいことでも、あった。

マヤ・アンジェロウ『歌え、翔べない鳥たちよ』読んだ。南部やサンフランシスコのハーレムで育った黒人少女の自伝。ときどきはこういう本をきちんと読みたいと思った。はじめて読むのに、なつかしかった。
アメリカの黒人女性作家たち。20代のころ、トニ・モリスンや、ゾラ・ニール・ハーストンをよく読んでいた。大好きだった。
人生は大きな危険のようで、生きるというのは、サバイバルするということで、とんでもないけど、彼女らの本が傍らにあるというだけで、大丈夫、私も生きていける、と思ってきたなあと、なんか深く感謝したい気持ちになった。傍らに、大きなたのもしいお姉さんが、ついていてくれるみたいで。
あのお姉さんたちがいるなら、こわいものは何もないのだ。勇気ひとつで生きていける。生きることを好きになれる気がした。