雨の連休

雨。向かいの森の新緑がきれいだ。もう藤の花が咲いている。
畑も、雨でいっせいに緑が増している。レタスが育ち、ミニトマトが花をつけ、枝豆も芽を出した。いちばん元気なのは、雑草だが。
台所のすみで芽を出していたジャガイモを埋めてくる。

こんなに長いのに、どこにも行かない連休。
息子が友だちに借りてきているラノベを、取り上げて読んでいる。なるほど、こういう話かー。こういう作り方かー。どっかで読んだような話だなと、たちまち飽きた。
少年少女の物語は好きなんだけど。
14歳や15歳のころに読んだ本は忘れがたい。コクトーの「恐るべき子どもたち」もデュ・ガールの「チボー家の人々」も。リルケもヘッセも。
いい年ごろだよね。本読まないのはもったいないよね。
ラノベもいいけど。食い足りなくないか?
と思って「罪と罰」勧めたんだが、しんどくてめんどくさくて、かんべんしてほしいらしい。えー、最高だよ、と思わず読み聞かせなんかしてしまったが、
いや、読み聞かせするには長すぎる…。
ま、自分の好きな本は自分で見つけるべきだよね。

お隣から蕨もらって、つづいて筍もらって、せっせとあく抜き、瓶詰、冷凍した。
昔わたしは、霞を食べて生きていける人になりたいと思っていた。十代後半ころ。わりと本気で思っていた。漢文に出てくる誰だっけ、山菜ばかり食べて死んだ義人の話もあることだし。よく摂食障害にならなかったことだ。(いや、寸前だったかもしれないが)。
山菜を食べる、は霞を食べるに、やや近い、ような気がして楽しい。
蕨と筍、炊き合わせた。