名前のよくわからない女子が

今日午後、見守りパトロール。私、当番でもなんでもないんだけど、ほかの人が行けないときに、たまに行く。ほかに1人いたが、その人は途中の横断歩道にいることにしたから、バス停の下の坂道にいたのは私だけだったが。
バスから降りてくる子らを見上げていたら、ムーミンが歩きながら、私の息子の体を車道のほうに押し出そうとしている。ふざけている様子だが、息子はあきらかにいやがっている。
あぶないだろ、ふざけるな、と叫んだが、遠くて聞こえないらしい。私がいることにも気づかないらしい。
ムーミンは左の道へ行き、右の道を息子が降りてくる。
こういうことはよくあるのかと聞くと、「よくある、でも今日のはひどい」と言う。また電話がかかってくるな、きっと、と話したんだが、家に帰り着いた頃、やっぱり電話がかかってきた。
何度目かな。「さっきはごめん」と言って、おわびに明日土下座する、とか、何かあげようか、とか言うらしい。何もしていらない、と息子は言う。
たぶん、親や先生に言われたくないから、先に電話してくるのだろうが、私は目撃してしまったし、これは目に余る。
今日はさらに宿題を教えてくれと言ったらしい。電話で教えろってそれは無理だと断ったが、ムーミンは今朝、宿題していないのを先生に見つかって叱られたらしい。

さて。夜、ムーミンママに電話する。知らない仲ではないし、ゆっくり話したい気持ちもありますが、息子の悪さを聞かされるのはいやなのだろう。「叱っておきます」と言った言葉が、もう電話を切りたい、に聞こえる。すこし食い下がる。危ないからやめてほしいのは当然だが、ムーミンは精神的に不安定だと思いますよ、気をつけてあげてくださいね。

たぶん、これまでムーミンは、宿題はうちの息子のを写していたし、何から何まで依存してなんとかやってきたのだったが、息子がその依存を振り払ったので、もうどうしていいかわからないのだろう。
どこかの時点で、ムーミンも自分自身と対峙しないといけないんだが、親も子も、なかなかそれが難しそうなのだ。

さらにもう一件。別のクラスの女子が(名前はよくわからないらしい、それほど息子には印象がない子らしいんだが)ここんとこ、何度も息子に向かって「エロゲーやってるんでしょ」って言ってくるのだそうだ。そんなものやってないし、何を言ってるのかわけわからん、ってことなのだが、今日はその女子と同じクラスの男子のしげっちにも言われた。ということは噂になっているのか。それはめちゃくちゃ侮辱的じゃないか。
しげっちの名前、久しぶりに聞いたな。しげっちは去年同じクラスでしたかね。去年もいろいろと面倒起こしてくれてたけど。

そりゃもう、ぜひ言いつけよう。楽しいなあ。連絡帳にムーミンの件と、エロゲーの件と、書き書きする。
ママ、告げ口を喜ぶなんて根性悪いよ、と言いながら、それなりに傷ついてしょんぼりしていた息子も、元気になってきた。

噂のことは気にするな。その女子が自分で、私はすけべだって言ってるようなもんだから。こいつとはつきあわなくていいなというのがはっきりわかったっていうだけのことだよ。
ほんと、ばかみたい。