小学校最後の参観日

小学校最後の参観日。
クラスの子らひとりひとりが、親たちへの手紙を読みあげる、という内容だった。
12年間育ててくれてありがとう。たくさん心配かけてごめんなさい。感謝しています。これからもよろしくお願いします。という内容。
その基本ラインにいろんな個別のことがまつわるわけですが、言いたいことと、みんなにも聞かれるということとの葛藤のなかで、それぞれに表現をさぐっていった感じが、面白かった。
息子を通して聞く話からは、ジャングルのなかの騒がしくて奇妙で変態的な生き物のようなんだけれど、こうして親たちの前で作文を読む子どもたちは、ごく素直で愛らしいものに見えたことでした、よ。

フィリピンからお母さんとふたりで来たMちゃんの声は小さくてなかなか聞き取れなかったけど、途中で泣いていた。お母さんは頑張り過ぎって言っていた。お母さんは遅れてきて聞けなかったけど、あとで知ってたぶん泣くでしょう。
そのあとの懇談会で、息子がけんかばかりして迷惑をかけてごめんなさいと泣いてしまったのはOくんのお母さん。

6年前に入学前の見学に来たとき、図工ですこし騒がしい教室で、息子が耳をおさえてしゃがみ込み「うるさいから、ぼくは無理なの」と言ったことなど、私は思い出したけど、
いつ無理になるかしら、とそれなりにはらはらしてたけど、とうとう6年間通いとおしたことは、感激ものだと思う。

クラスに、えらく秀才なKくんと、電車好きなもうひとりのKくんと、親しい友人もできて、いまは毎週末、誰かが遊びに来て、鉄道模型を走らせたり、ゲームしたり、ゲームしたり、ゲームしたり、している。
中学は別なのである。別れるのが、さすがに息子も辛いらしい。
最後の参観日、最後のこの科目の授業、と最後つづきの日々。小学校に通うのもあと十数日。

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通学路の梅。