線と色

参観日だった。
午後のろのろ出かけて行く。
算数の円の勉強。
去年がスリリングすぎたのかなあ。前半は学級崩壊、後半はその立て直し、という感じで、子どもたちの人間関係とか、それぞれの子の個性とか、けっこう見るものがあったような気がするが、
今年は拍子抜けするほど、明るくおだやかな、落ち着いたクラスで、授業参観眠かった。

壁に貼ってあった図画。線と色。好きな線をひいて好きな色を塗る。

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なんか、しあわせそうな絵だなあ。

夕方、畑。
イチゴ、ひと袋半収穫。高いところにある岩の上から、男の子がずっとこっちを見ている。見知らない子だけど、わかってしまった。あれはイチゴが気になっているのだ。
次の瞬間、男の子は畑の前にきていた。
イチゴ食べる? ってきいたら、大きくこっくりうなずいた。いい子だ。あげるからおいで。隣の通学班の2年男子。
ひと袋あげたら、ありがとうって、走って帰っていった。
ところが、それからまた、やってくる。
「おばちゃんのお名前は」ってきく。そうか。お母さんにきいておいでって言われたね。言うと、また走って帰る。
それからまた、やってくる。
「わかった、って」。お母さんとはたぶん、子ども会の会合でご一緒したと思います。
私は水やりも終わって、ひきあげるんだけど、2年男子、一緒についてくる。
「お家、教えて」
いいよ。じゃあ、これもって。
ポリバケツもってもらう。今日の助手はこの子。
「ここは、クマ出るの」
出るよ。イノシシも鹿もタヌキも出るよ。
みたいなことを話しながら歩いた。かわいいかわいい。

☆☆

線と色。体に彫った線と色。

 はにかんで笑うおとうと腕にのびた刺青を夏の長袖に隠し
 筋彫りの竜のまぬけづら弟をいじめていいのはわたしだけだ
               野樹かずみ『もうひとりの(略)』 

どっかの市長が公務員の刺青を問題視しているが、それで刺青消せって言ってるらしいが。

私も以前、弟に、刺青消せって言ったが。
「姉さん、そんな無茶なこと言うなや。そんな金あるわけない。」
って言われたなあ。

便乗して、お願いしたい。
刺青の除去を、保険適用にしてくれないだろうか。
以前にも一度、知り合いの議員にお願いしてみたような記憶がぼんやりあるが。

弟、大阪でヤクザのオヤジのところで世話になってたときの刺青らしい。
まだ二十歳になるかならないかの頃だ。その頃も生きにくかったろうし、指を落としてヤクザやめてからも、その後も、ずっとずっと生きづらいだろう、胸が痛くて、いちいち書けませんが。

刺青があるから悪いというのも、蔑むのも自由だけど、
刺青除去の費用を、保険適用にしてくれてもいいと思う。

青い筋彫りだけの、色のない、チンピラな竜をどうするか。風呂屋にも行けないドラゴン。



竜頭蛇尾
子どもが宿題帳に書きつけていた四字熟語。

「頭ぐらい竜だとはったりかまさなければ、蛇ほどの尻尾も残らん」(byパパ)という意味では、もちろんないが。

蛇の尻尾のような人生を、愛して生きよう。