早朝の電話

早朝、電話。 避難所に指定されている施設の管理者からで、施設はあいてないよといったのに、施設に避難した人がいたらしく、毛布は用意して対応しましたが、職員もいないし、食料もないし、受け入れできないっていう。
それで開いてないはずの施設がなぜ開いていたかというと、管理者の自宅も避難勧告されているので避難ついでに深夜に職場に来たというようなことだったらしい。

こんなときに役所に電話するのも気の毒だけど、うちに電話をもらってもこまるので、施設には役所から指示してくださいという連絡はしておく。指定避難場所になっているんだから、行く人いるって。
心配された地域は別の地域で、って役所の人は言ったらしい。それなら地域名を細かくいわなくちゃ。学区名で言ったら、やたらひろいし、ここは同じような地形なんだから、あんな災害のあとで避難勧告出たら心配するって。あいすみません、みたいなことで。

地図大好きな息子が、ハザードマップを食い入るように見ながら、土砂くずれのおそれのあるところと、土石流のおそれのあるところは、同じ赤と黄色でもふちどりの色が違う、と気づく。ここは土石流でなく、土砂崩れの警戒地域がちらほらあって、数年前の豪雨で、避難指示がでたときは、近くの崖際の家の土台が崩れたのだった。

それから数日前に、休暇で帰ってきたばかり、という船乗りの近所の知人がやってきて、仕事もないからボランティアに行こうと思ったが、受け入れ態勢がまだみたいだ、という。

また別の近所の人から、被災現場に測量の仕事で行ったら、大臣たちが来ていたよ、という話をきく。

眠いので、電話の音だか目覚ましの音だかよくわからないし、そうでなくてもリモコン苦手の私は、電話の受話器と、電気のリモコンと、エアコンのリモコンと、テレビのリモコンと、どれがどれだかわからなくなって、受話器とったのに、どうしてまだ音が鳴りつづけているんだろうとか、

それでなんとか受話器にたどり着いたら、電話の音より大きな弟の声で、
「ねえちゃん、だいじょうぶかああああ」って。
だいじょうぶだああああ。

弟の新しいケータイ番号メモする。私はあんたがどこでどうしてるかのほうが心配だ。



フィリピンのゴミ山が崩落したときの現場を歩いたときのことを思い出したりする。ほんとに崩れやすい世界で、私たち生きてるなあと思う。

雨、ここはおさまってるけど、全国展開してるのかな。気をつけてください。