妄想草競馬

師走。
こんな家にも、今年はお歳暮が届いたりして、驚いている。
お返しできませんが、お返ししなくてすむ相手で、ほっとしている。
企業からのは、それなりの戦略でしょう。
冷凍物で、冷凍庫がいっぱいになった。
調理しないと食べられないもので、つまりこれは、私に料理をしろと言っているのかと、かすかにプレッシャーだが、食べられるものは、ありがたい。

シングルマザーの貧困について、特集しているのを見た。 ずいぶんつらい景色だと思う。
東京にいたころ、年収100万円ぐらいで私も暮らしていたけど、そんなの、ひとりで暮らすのも難しい収入で、子どもを育てますか。
休みもなく、毎日16時間も働いているひと。そんなに働いたら、しんどい。しかも肉体労働ばっか。風俗で働くのだって、ほんとにしんどい肉体労働だ。そんなに働いている女の人は、もっともっと大事にされていいのに、また嘘みたいに粗末に扱われる。
ファンティーヌたち。

彼女らに対して、考えもなしに結婚して子どもつくって別れて、自業自得でしょ、って、犬飼っているのはぜいたくって、そういう声があるのが、信じられない。残酷でしょう。

考えもなしに。

でも人生って、考えもなしに生きてしまうものではないだろうか。考えたら、こわくて生きられないんじゃないんだろうか。もしも人生に対して、何か戦略をたてられるような余裕があるとしたら、それはそれ自体ずいぶん幸運なことだけれど、たとえ戦略をたてたって、うまくいくとはかぎらないんじゃないだろうか。

うまくいけば幸運で、うまくいかなければ不運だが、幸運な人が不運な人を蔑んで平気な世の中がきらいだ。

思うのですが、よくも悪くも、こんなはずじゃなかったことばかりで、人生は成り立っているんじゃないだろうか。



『短歌両吟 第2集 天体育ち』蝦名泰洋 野樹かずみ  送料込み1000円

本ができた。たいへんうれしい。
とにかくこれで、原稿を紛失する心配はなくてすむのでした。
野樹のはともかく、蝦名さんの歌稿をなくしたら、かなしい。それは何か大事なあずかりものなのです。

こんなにお金のないときに、なんで本なんかつくるかと思うんだけど、なんとかなるだろうと思ったけど、なんともならないかもしれないけど。

ほんとは「類人鳥」買ってくださった方には、続編として自動的にお送りしたいつもりでしたが……。買っていただけるとうれしいです。
希望の方、連絡ください。

競馬であてて、豪華贈呈本つくるという戦略も、妄想の域を出ることなく。
この次は、豪華贈呈本出せるといいなあ、と思っております。
がんばれ妄想草競馬

……私は地道に送料を工面する、と。
こういういじらしいやりくりは、わりと好き。工面できなくなったらしばらく休憩。

私たちには考えもなく、戦略もないけど、でも歌は、何か大きなめぐりのなかにあってほしいと願っています。