防災無線とハザードマップ

昨夜私は、ああフィリピンの台風の夜のようだと思いながら、何度か雷の音で起きたものの、でもわりとすやすや寝たのでしたが、パパは、この激しい雨があと15分続いたら避難しよう、と深夜に思ったそうである。でもその雨はその後15分つづかずに穏やかになり、おそらくこのあたりは、雨はそんなにひどくは降らなかったのだ。溝の水があふれるということもなかった。

このあたり、うちの団地だけでなく、あたり一帯、土石流の危険がありますよ、という地域で、うちにもハザードマップがあって、廊下に貼ってある。土石流来るぞ、という地域が赤く塗ってあって、来るかも、という地域が黄色い。私んちは半分黄色い。赤い黄色い地域ばっかりが、えんえんつらなっているこのあたり。

数年に一度は、ここから数キロ以内で何かしら豪雨や台風の被害があるので、毎年ハザードマップ確認する。土石流はこっちからくるから、こっちの道から逃げる、というふうに。

毎年9月には、学区の町内会と消防署で、数百人も参加して、防災訓練をやりますが、今日の夕方、消防から連絡がくる。
明日に予定していた、防災訓練の打合せは中止です。
すでに殉職者も出ているのだ。なんとも言いようがないと言いながら、パパはその連絡を町内会の関係者にまわしていた。



うちには防災無線がきていて、ここんとこ連続して大雨警報とかいろんなお知らせ流れている。避難勧告出たら、各戸に連絡することになっているのだが、まだ今年は避難勧告はない。今日の夕方は、異常を感じたら、各自判断して、はやめに避難してください、という内容でしたが、

「どこへ逃げるんだよー、施設あいてないぞ、電話通じないぞ」とパパが無線に向かって言う。

そう、問題はどこへ逃げるか、だ。小学校も赤かかったり黄色かったりするし、なんせ遠いので、土石流のときは別の公共の施設に逃げることになっている。ところがその施設の管理は民間委託なのである。夜はいない。

町内会の役員の間で電話のやりとり。夜間どこへ逃げるか。灯りのあるところ、ご飯のあるところ。スーパーとコンビニを目指そう。妥当だと思う。

町内にいまは数軒だけの防災無線を、もっと多くの家にとりつけたい、そのために、もっと安くしてほしい、というようなことも、言い合っている。

子ども会からは、夏休みのこのあとの行事はいっさい中止、というお知らせがくる。

☆ 
 
息子と見てきた映画が、「プレーンズ2」で、前作で、農薬散布機から飛行レースのチャンピオンになったダスティという飛行機が、レースができなくなった失意ののちに、こんどは消防飛行機になるという話なんだが、その訓練のときに、先輩に言われるのだ。
「人生には思うにまかせないことも起きるものだ。だが、おまえがいまあきらめたら、明日だれかが死ぬんだぞ」
というようなセリフだったけど、そんな映画を見たあとに、消防士の殉職を知ったのだった。家の近くで見たコカ・コーラの車を、いっしゅん消防車かと思ったりした。



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