花の日。虹の戦士号。

今日はいじめられなかったらしい。しばらく様子見かなあ。
ふざけ方が乱暴なのを私の子が受けとめられないだけなのか、いじめやすいからいじめているのか。たぶん理由はないんだろうな。Gくん、授業中も休み時間もとにかくじっとしてはいられないようなんである。

「友だちが守ってくれる」と、子どもが言ったのには驚いた。
彼は、「友だち」を発見したらしい。クラスメートや同学年の子ども全部を「おともだち」と呼ぶような、そういうおともだちではなくて、彼が自分で発見した、自分の「友だち」。これはすごいことかも。
これまで、人にかまわれて、楽しいか、いやか、というぐらいの場面場面の判断しかしなかったのが、「友だち」と遊ぶ、という把握をしはじめた。

で、「友だち」のSくんは、ここんとこ感心だったのに、今朝はまた久しぶりにいのししになってうちの子に突進しかかってきて、自分で足もつれさせて転んでいた。思わず笑いたくなった。突進するなって、あんなに言ったのに、きかないからだ。今にも泣きそうな顔してる弟を見下ろして、3年のお姉ちゃんは冷たく言い放つのだった。「ころんだくらいでなんで泣くん」
いや、痛かったと思うけど…。

今日は、3年生の男子と一緒に帰ってきた。その3年生が宿題の漢字を手伝ってくれたらしいのだが、はなび、が「花日」。それはお釈迦様の誕生日か花見か、フラワーフェスティバルか。「イ」が4つで「竹」。竹林に見えないこともない…が。大丈夫かい。



「おおかみ王ロボ」というお話に、ロボをつかまえたら1000ドル出す、という話が出てくる。1000ドルっていくらか。1ドル80円として、1000ドルならいくらになるのか、という考え方を、理解させるのに一苦労する。

理解するのに苦労する数字は、原発がらみ。
チェルノブィリの事故で飛散した放射性物質は広島の原爆の500~600倍。フクシマは、チェルノブィリの十分の1。
ということは、広島の原爆の50~60倍の放射性物質が飛散している、ということになるんだろうか。

被ばくは、過去になってゆかない。66年たっても過去じゃない。
戦争が過去になっても、震災や津波が過去になっても、被ばくは過去にならない。
被爆後の広島にあったような、今にいたるまでの、切ない、痛ましい物語が、繰り返されてゆくんだろうか、と考えると、出てゆけない時間のなかに閉じこめられるような息苦しさに襲われる。

全力を尽くして、その時間の外に出てゆく努力を。66年前よりは、出ていける可能性は大きいはず。疎開するとか、内部被ばくを避けるとか。
自分で出てゆかなければ誰も連れ出してくれない。
政府は国民を守らない。



2011/5/12 高濃度の放射性物質を海藻類から検出 グリーンピースの海洋調査で、政府に緊急調査を要請、というニュース。http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110512/

調査船「虹の戦士号」。
なつかしい名前だと思った。記憶にある。
ビキニの水爆実験で汚染されたロンゲラップ島の人々が、30年以上過ぎて、3世代にわたる健康被害の苦しみに耐えかねて、子どもたちのため、未来の世代のために、ついに故郷の島を捨てる決心をした。その人々を乗せていったのが、「虹の戦士号」だった。
豊崎博光さんの写真集で見たのだ。島を捨てて行く人々は、誰も、故郷を振り返らなかったという。