草のなか

私の畑は、畑のなかに作物が育っているのではなく、
草のなかに育っている。

だから、まあ、仕方ないんだが。

もともと草ぼうぼうの管理放棄地を耕しているのだが、カヤはすごいし、建築廃材も捨ててあるし、手の出せないところもある。
それでも私も、鎌もってがんばって草刈りするんだが。
この雨と、太陽にはとてもかなわない。

雨上がり、さあ草刈しようかと畑に行ったら、
すでに刈られていた。

そろそろそういう時期だな、とは思っていたんだが。
管理放棄地の草刈りは、町内会のおじさんたちの、ちょっとしたアルパイトなので、 おじさんたちは手抜きすることもなく、
草刈機でてごわい雑草を、きれいに刈ってくれているのでした。

たぶん、畑のなかに作物があれば、それは刈られないですむのかもしれないと思う。

去年はみょうがが全部刈られてしまったので、まずみょうがを見た。無事だ。
ブルーベリーも草のなかだが、無事でよかった。
でも見ていくと、さつま芋が2割刈られている。
小菊や沈丁花や萩の小さいひとたちが、消えている。草のなかで、すずしいにおいをさせていたマウンテンミントも、ない。
雑草にしか見えなかったのだろうな、空芯菜が全滅。
そういえば、去年は、パパが雑草と思って空芯菜を引き抜いてくれたのだった。
フキとカヤが茂っているなかに、カボチャもあったのだが、フキとカヤは刈られたが、カボチャは無事だった。黄色い花が咲いてる。

畑らしい畑なら、刈られずにすんだろうに、なんで私は畑らしい畑がつくれないか。
気がつくと、何もかも、草のなかに育っているのだ。

草のなかから、去年の種から出てきたのだろう、ゴーヤが伸びている。
いちごのつるが野放図にあっちこっち伸びている。
キュウリの花が咲いている。ミニトマトの実が青い。
えだまめの花が咲いてる。カメムシのにおいがすごい。大丈夫か。

蛙がとぶ。バッタがとぶ。
オシロイバナが大きくなってきた。今年も咲くだろう。
あさがおがあっちこっち伸びている。これはほっとくとすごいことになるんだが。

草刈機の次の襲来は9月ごろかな。こざっぱりしたことだし、すこしまじめに手入れしよう。