柳宗悦展

柳宗悦展に行ってきた。
http://genso-sayume.jp/index2.html

中国自動車道は雨の緑のなか、ところどころ、合歓の花がピンクにけぶっているのがきれいだ。最近車に乗るとBGM担当の子ども、いつもうるさいのをかけては苦情を言われている子が、何かしら静かなものをかけていた。
ポール・モーリア悲しみの天使、とか、なつかしいのがかかっていた。

いい展示でした。

宗悦と朝鮮を結びつけたという秋草模様の白い小壺も見ることができた。 Img_4791


ソウルの光化門が取り壊されそうになったときに、それに抗議して書いた評論『失はれんとする一朝鮮建築のために』の原稿も展示されていた。「一東洋建築」としていたのを「朝鮮」と書き直したあとも見えた。

柳宗悦と朝鮮との関わりについて、去年の11月、ソウルの民族博物館を訪ねたときの日記。
http://yumenononi.blog.eonet.jp/default/2011/12/post-feab.html

アイヌの刺繍、沖縄や台湾の少数民族の衣装、それら民芸品を愛しただけでなく、それらをつくった人々への尊敬のまなざしがあることに救われる思いがする。あれこれの民芸品の湛える懐かしさの感情もさることながら、まっとうな世界観のなかにいるという感じがして、ほっとする。

沖縄の方言を排除する日本の教育方針に対して、固有の方言も大事にすべきたと論陣を張ったこと、アイヌ人への蔑視を戒めたこと、「沖縄人に訴ふるの書」「アイヌ人に送る書」などの原稿も展示。

山形県の尾花帽子は、尾花で編んだ帽子に鳥の羽が飾られていて、これほしいなあと思った。作れないかな。難しそうだな。Img_4790 


奥田元宋の常設展もよかった。ことに有名な3枚の絵を飾ってある小部屋では、職員のおばさんが、ひとつひとつすこぶる丁寧に説明してくれて、お腹がすいて、山の風景画なんて何にも面白くなくて退屈している子どもは、足止めされて不満そうだったが、なんというか、おばさんの情熱が、というか、この画家が、このおばさんに愛されているんだなあという感じが、ほのぼのとした。

あじさいも咲いていた。