パヤタス・レポート 4 奨学生たち

パアララン・パンタオの今年の奨学生は、去年と同じ。Img_0349 
3人のハイスクールの女の子たち、ひとつずつ学年があがりました。

○ジョシエル・カニエタ(20歳)ハイスクール4年
○ロレイン・バンズエラ(19歳)ハイスクール3年
○ロザリン・ペレザ(16歳)ハイスクール2年

みんないい成績で、まじめに学校に通っています。

ロレインはベイビー先生の娘。4人姉妹の3番目。
1番上のジョイは、去年結婚したのかな、いまは、メーキャップの店で働いている、と妹が言っていた。
2番目のチャイリンは、ジョシエルと同い年かひとつ上かな、ずっとパアラランで一緒に勉強してきて、ハイスクールにも一緒にすすんだんだけど、妊娠して中退した。奨学生のひとりだったから、しかも自分の孫娘の「不祥事」に、レティ先生はスポンサーたちに申し訳ない、とても恥ずかしい、というふうだった。
でもここには、生まれてくる命は、絶対的に肯定する、というゆるぎなさはあって、母も子もとってものびのびしている。チャイリンの娘のグローリィ、もう3歳。毎日、エラプ校で遊んでいる。
そのチャイリンは、ハイスクールに復学する試験にパスしたんだけど、お金がないので、いまドラッグストアで働いているらしい。

ロザリンはビコール州からやってきた女の子。パヤタス校に住み込みでお手伝いしながら、近くの高校に通っている。去年は午後のクラスだったけど、今年は午前のクラスで、私が起きたときにはもういない。
午後、帰ってくると、明日の給食の下ごしらえとかしていて、仕事の合間をぬって、物置のすみで、教科書開いて勉強しているのが、いじらしいです。数学の教科書、難しくて私はお手上げだった。

シンガポールのグループは、ずっとパヤタス校の給食と小学生の奨学金のサポートをしてくれていた。給食のほうは、5年の約束を6年にのばしてくれて、その6年も過ぎたのでストップしたが、小学生のサポートは続けてくれている。
パヤタス地域の4人(3年生2人、1年生2人)の生徒と、エラプ地域の1人(3年生)をサポートしている。

エラプの3年生というのはニカシオ(12歳)だ。以前はパヤタスにいた。3年前に父が、2年前に母が亡くなって、姉ふたりと残された。ちょうど2年前に来たときに、お母さんが亡くなって一週間になるけど、埋葬の費用が足りない、といって、コーディネイターのメイ先生が寄付集めに奔走していた。下の姉のジョアンニー(19歳)はパアラランでずっと勉強していた子で成績もよかった。彼女がゴミ拾いをして家族は暮らしていた(つまり暮らしていけない状態だった)。上の姉のジョウェリン(31歳)は精神を病んでいて、今も、何もできないで、家にいるだけ、という状態らしい。
この子どもたちに、生活するということを教えなくちゃいけない、親のない子どもたちのためのグループホームのようなものも必要だと、レティ先生は言っていたが、いまこのきょうだいは、エラプで、レティ先生の古い友人のテリーさんと暮らしている。
テリーさんと一緒なら安心だ。
ニカシオは小学校に通って、下の姉のジョウェリンは、編入試験にパスしてハイスクールに通っている。

エラプ校で、テリーさんに会った。前会ったとき手術がうまくいかなくて、片方の目がまったく見えなくなったと嘆いていたが、今度は手術がうまくいったらしく、両目とも見えるよ、とうれしそうだった。

歳月は過ぎて、若くないのである。テリーさんもレティ先生も。
レティ先生は膝がずっと痛い。医者に手術をしたほうがいいと言われたが、金がかかるからしない。手術を受けるなら、フィリピンよりシンガポールで受けたほうがいい、と息子たちは言う。血圧の薬、コレステロールの薬、心臓の薬、と飲まなければならない薬がひと山あって、以前飲むのをさぼって倒れてからは、息子たちがしじゅう、薬飲んだか、と電話をかけてくる。という。歩くときは杖が欠かせない。
毎食後、まじめに薬、飲んでいたよ。

写真はロレイン。