星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

「恐るべき遺産/裸の影」

午後、パパは子どもを連れて鉄道博へ行き(でも自分は会場に入らず、子どもだけを入らせ……その前には恐竜展とかトリックアート展とかもあったし、いちいち入場料払ってつきあってられませんって話)、その間、私は映画を見に行った。

若松孝二監督の「恐るべき遺産/裸の影」。 Img120

50年前の。

若松監督のは、こないだ見た「千年の愉楽」しか知らないんだけど、最後の作品を見たので、最初のほうのも見とこうと思った。
その間50年の歳月が流れているんだけれど、ほとんど同じ印象を受けた。
ことに驚いた。
すごくシンプルなのだ。
そして救いがない。

主人公が本屋で見る土門拳の「ヒロシマ」の写真と、広島を訪れて見る記念館の映像の説得力がすごい。写真と展示のすごさはむろんなのだが、たぶんそこに、あってはいけない地獄を自分のものとして受け入れなければいけない少女の存在があるから、でもあるのだ、異様な生々しさだった。この生々しさは、映画がよみがえらせたものだ。

広島の記念館の場面で、被爆人形は、やっぱり凄い。
ずっと以前の、今のような展示になる前の、見るのがこわかったような展示を、思い出した。いまはとても洗練されている。きっと洗練されすぎている。
被爆人形を撤去するという話はどうなったのだろうか。
被爆人形ぐらいは残しておこうよ、と思った。

漂白してはいけないことってあるんじゃないだろうか。

記念館の場面でアナウンスが流れていて、それが、
人類を幸福にするために開発された原子力だが、その初期に不幸な使われ方をした。それが原子爆弾で、24万人が死亡し……
というような内容だったのだが、
本当にそんなふうなアナウンスが流れていたのだろうか。
人類を幸福にする原子力
……

パパと息子との待ち合わせ場所に行くとき、その近くに、去年亡くなった親しいおばさんが住んでいたんだけど、知らず知らず、そのおばさんの家に向かって歩いていて、途中で気づいて引き返した。
ああ、もういないんだ、と思い出して、さびしかった。