立候補

選挙の準備がはじまっているらしい。春の統一地方選。自治会の関係とか、いろいろと人が動き始めているなあという感じ。 

「ぼくは立候補した」と学校から帰ってきた息子が言ったのが数日前。なんの話かと思ったら、来年度の児童会の会長副会長を選ぶ選挙に立候補したらしいのだ。
なんでまたそんなことを。
聞くと会長副会長3人選ぶところに15人立候補したんだって。息子のクラスは女子ふたりで男子がいなかったので、なんとなく、出なきゃ、という気持ちになったらしい。
「スピーチで何を言おうか。すべてを完璧に、ってどうだろう」って言うから、それは無茶だ、って言ったら、「ママならどうする」って言うから、一歩前進、ぐらいだよ、って言ったら、「一歩だけ?」って不足げに言う。
一歩すすめなかったら、二歩めも三歩目もないだろうが。

とにかく「一歩前進」を合言葉に、選挙活動ははじまったらしい。応援演説をしてくれる友だちもきまったし、スピーチ原稿も考えたし。
というあたりで、息子、われにかえった。
「ぼく、もし会長とか副会長とかになったら、それはものすごく大変なんじゃないだろうか。立候補しなきゃよかった。どうして立候補したんだろう」と涙目。
いろいろ大変な仕事をすることになるよって、考えなかったの? だいたいどうして立候補したの?
「先生に相談したら、すすめられたし。それに、野外活動で、ぼく班長やったけど、女子は全然いうこときかないし、人をこき使うし、あんまりだから、会長になったら上から目線できるかな、とちょっと思って」

そりゃ大いなる勘違いだったねえ。(まったくいまいましい樽体型の女どもめ)。
あのさ、思うに、班長は下働き、学級代表は下働きの下働き、会長なんか、下働きの下働きの下働き、下の下の下よ。パパが自治会の役をしてるのは、もう下の下の下でいいってひらきなおってるからやれてるの。ママが、パアラランのことやってるのも、何やってるかって、よろしくお願いします、ありがとうございます、って頭下げてるだけでしょ。会長とか代表とかってそういうことよ。
でもまあ、勘違いに気づいたのは、えらかったよ。

「説明会のあと、ぼくは、原稿の構成とか、いろいろ考えたんだけど、なんであんなに盛り上がってたんだろう」
と、すっかりしょんぼりしてるのが、なんかもうおかしいが、その高揚感としょんぼり感だけでも、けっこういい体験したんじゃないのかな。
でも立候補したんだからしょうがない、こういうのは悩むようなことじゃないし、威風堂々、楽しくやろうよ。 スピーチは言いたいこと言えばいいよ。

ということで、今日、1分間のスピーチ原稿書いていた。これがなかなか。
一歩前進の学校にしていきたい、というテーマですけど、「一歩前進すれば、何歩でも前進できます」というあたりが、えらく前向きだな。
それから、いじめのない学校にしたい。どんなに一歩前進の気持ちで頑張っても、「いじめがあったら、無意味になるからです」。

その「無意味」という言葉に、ちょっと心打たれたね。

最近いじめられなくなったかな、と思っていたんだけど、昨日は、遊びに来た4年生に、その子が森のなかで靴でふんづけた何か獣の糞を、手になすりつけられたそうで、やれやれだ。
行き場のないのが、寄ってきては、だんだん増長していくいつものパターンかな。おかげで息子は、だんだんクールになっていく。

いつでも、遊びに来るなと言っていいよ。