星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

モランとスティンキー

風邪ひいた。
熱はないんだけど、咳と鼻水と喉の痛いのと、頭痛と下痢と倦怠感と。
子どもを学校に行かせたあとの昼間を寝る。寝る。寝る。
それはそれで、しあわせな怠け者。

原因はわかっている。
モランのせいである。

モランというのは、ムーミンのお話に出てくる奴で、近寄るとまわりのものを凍らせる大きなへんな生き物なのだが、
この家、パパはものすごい暑がりで、この時期はもう、エアコンなしでいられない。子どもも暑がりで、暑いと寝られないという。
それで男の子たちがランニングシャツでいるなかで、私は長袖シャツを着て、できるだけ近くにいないようにしているのだが、連中、行く先々で部屋を冷やしてまわる。

「モラン、いい加減にして欲しい。風邪ひいたじゃないか」
って言ったら、目の前にほんとにモランが立っているみたいだった。
大きいモランと小さいモラン。



ムーミンのお話には、スティンキーという、意地悪な子も出てくる。森にひとりですんでいる、孤独ないたずら野郎なんだが、
子どもが、約束守らなかったり、嘘ついたり、怠けたりさぼったり、いたずらしたりしたときに、
「スティンキー!」って叱ると、「ぼくはスティンキーじゃないっ」って泣く。ほんとにいやみたいだ。

手を洗わない子はスティンキーだよ、って言ったら、洗面所にとんでいく。
宿題さぼってるのもスティンキーだよって言ったら、机に向かう。
スティンキーはお片付けしないよねって言ったら、片付ける。
おもしろい。



で、子どもが言った。
「ママ、ママってほんとはママに向いてないんじゃないの」

大当たりっ。

だからさ、生まれる前にちゃんと考えなきゃいけないわけよ、このママにするのか、別のママがいいのか、おまえ考えてないだろ。
引き算の問題を、途中で足し算するくらいまぬけだもん。ママを選ぶときもまぬけだったわけよ。
それで、生まれたあとで、しまったなあって思っても遅いわけ。

「親なら、ぼくのことをスティンキーなんて呼ばないはずだ」
あら。
「それに、夕方、パパには、愛してるよって言ったのに、どうしてぼくには言ってくれないの」
あらら。

ごめんよ。言うよ言うよ。愛してるよ。
「今さら遅いよ」

あの、さ。パパに愛してるよって言うのは、小言を言わせないためであるとか、こちらのわがままを通したいためであるとか、そういう下心あってのことだが、子ども、それにはまだ気づかないのか。

スティンキー、泣くなよ。
「スティンキーじゃないよっ!」

子ども、ムーミンママのパンケーキを食べたいそうである。
ホットケーキで和解することにする。