エア・ステーキとカモテ・リーブス

雑誌のクロスワードパズルをやっていたら、
エアギターという言葉が出てきた。
エアギターってわかる? 息子に聞いたら、
「わかるよ」ってギターかきならす真似をする。

アピアノは? って言ったら、
アピアノ弾いてくれる。

エアエレクトーンは?
「エアエレクトーンは右手と左手に段差があるのが特徴だね」って。

今日なに食べたいって聞いたら、
「ステーキ」って言う。
では、エアステーキどうぞ。
息子、ステーキ食べる真似していたが、
「たのしくないよう」って言った。

しばらくして、息子、
「パヤタスに寄付をもってきました」って抱えてきた。
エア寄付金は、1億円。
ずいぶん気前がいい。

いいことを考えた。
よく見てください。ここにエア冠があります。この冠をかぶせたら、世界中のすべてのものはきみのもの。エアステーキ、エアお寿司、エアチョコレート、ママが忘れた花束も、買ってもらえなかったミニカーも。エアさえ頭にかぶせれば、いますぐここにもってこれるよ。
とってもすばらしい、エア冠。
王様、エア冠をどうぞ、って言ったら、
面白そうに笑うには笑ったが、ぼくはいやだよ、という顔もした。

ところで畑には、さつまいもの葉っぱがよく茂っている。
これはエアでなくて本物。

なので昨日の晩ごはんは、エアステーキと、さつまいもの葉っぱを炒めたやつ。
フィリピンで、カモテ・リーブス(いもの葉)といって出してくれる葉っぱによく似ていて、パアラランのキッチンを思い出す。

それから、今日の晩ごはんは、エアお寿司と、さつまいもの茎のきんぴら。
ほかにも多少、卵とかソーセージとか、用意しましたけど。

いいじゃんね。芋の葉でえ。