夏休みの色 青と緑

夏休みの宿題で、絵をかきましょう、みたいなことになると、まずパレットから、青と緑の絵の具がなくなっていったことを思い出すけど、海が青くて、空も青くて、山は緑色なので、それはもちろんそうなるのだった。
14日。午前中、由良半島にドライブ。津島のあたりでは、田んぼがもう黄金色で、稲刈りがはじまっていて驚く。南国。小学校の頃の社会科で、高知の二毛作、とか習ったのを思い出す。今もそうだろうか。
半島の山道。くねくね曲がった山道を行く。眼下に海が広がるのが、飛び込みたいほど青い。死ぬ前に海が見たいと言ったという母が、見たかった海かしらと思う。

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ゴムボートに乗った子どもたちが楽しそうだった。ああ、正しい夏休みの遊び。
ずっと昔、私が子どもだった頃の、私たち一家と死んだ従姉一家と一緒に、海で遊んで、島の海岸で撮った写真があったことを思い出すけど。

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私たちは何を失いながら生きてきたんだろう。

午後は兄がつきあってくれて、吉田港あたりで、息子は予讃線を撮るのだった。アンパンマン列車の車両とそうでない車両がちぐはぐに連結されているのが、おもしろいらしく。愛媛県警の船が港を周遊していて、何をしているんだろうと思っていたら、放送が流れる。60代の男性が行方不明、とか。それで県警の船。

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そのあと、息子は法華津峠展望台に行きたいと言う。兄も私も行ったことがない。地図で道を探して行ったが、これがまたくねくね曲がった山道で。アドベンチャーワールドだな。たどりついた峠からの眺めは絶景。遠くに、九州が見える。

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「山路越えて」の讃美歌の碑が立っていた。作詞者が、県下で教育に尽力した人とか。
見つけたので貼っておく。これが碑のあるところからの眺め。この曲もはじめて聞いたきれいな曲だわ。……山路越えてひとり行けど主の手にすがれる身は安けし♪
https://www.youtube.com/watch?v=7w1V7WXgSB4


息子は崖の上から、眼下にわずかだけ見える線路を、列車が通るのを撮ろうと、高所恐怖を耐えて、一時間以上も碑の横にはりついていた。
5時の時報が鳴る。遠き山に日は落ちて♪
それから、行方不明だった人が見つかったというお知らせが、はるか地上から聞こえてくる。

ひぐらしが鳴く。日差しがやわらかくなる。6時半頃、またくねくねの道を降りていく。

それから、市内に戻って、疲れてホテルで休んでいたパパも連れて、鬼北町へ、星を見に行くことにする。明かりがないので星がきれいです、と町が宣伝していたので、それじゃあ見に行こうかと。
高知との県境に向かって走る。道はきれいだが、どんどん真っ暗。兄はけっこう飛ばすし。この辺りかなと、迷い込んだ谷の集落で犬に吠えられる。しかし、星はほんときれいだった。息子、コンパクトカメラと三脚で、星空を撮ろうと試みた。

コロナのために、兄が勤めていた焼き肉屋のチェーン店は、店を半分に減らして、兄も仕事をやめた。それでも多少の保障はもらえたそうで、この日、振込だった。それで焼き肉に連れてってくれた。

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