薔薇ノ木ニ
薔薇ノ花咲ク
ナニゴトノ不思議ナケレド
北原白秋。庭の薔薇が咲いている。
昨日、畑にはイチゴが実っていた。イチゴ畑にイチゴが実って、ナニゴトノ不思議ナケレド。
へんよ。
1個は先客がいて、なめくじが食べていた。
のこりの2個は私の。
でも息子が食べた。
白秋の薔薇の詩でたちまち思い出す、もうひとつの詩。
くるしき戀よ、花うばら
かなしき戀よ、花うばら
二人は死にぬ、血みどろに
顫へて、人に殺されぬ
中学生くらいのときに読んで覚えて、そのまんま覚えてる。
空に真赤な雲のいろ。
玻璃に真赤な酒のいろ。
なんでこの身が悲しかろ。
空に真っ赤な雲のいろ。
は小学校のとき、なんのはずみか耳でおぼえた。玻璃は針と思って、こわかった。
息子はいま音読の宿題が、白秋の落葉松の詩だが、滑舌悪いくせにいいかげんに読むので、落葉松が落葉松に聞こえない。
白秋の詩に、何かうっとりした子どもの私が、そんな読み方されたら、がっかりする。
毎回読み直しさせられて、すごーく文句言っていたが、3日目ぐらい、ちょっと落葉松になってきた。駆け足で過ぎていくけどね。