2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

花火の記憶

巷は夏休みというので、夏休みらしいことをしようと思い、動物園に行こうと思って調べたら、ちょうどその日が休園日。去年行った某市の花火大会もそろそろだ、と思って調べたら、もう終わっている。昨日、近くの電力会社で住民サービスの夏祭りをしていて、…

真夜中のトロリーバス

昔、ソ連という国がまたあった頃、ブラート・オクジャワという詩人がいて、自作の詩を歌っていた。数年前に亡くなったが、『紙の兵隊』というCDが出ている。この数日、また久しぶりに聴いている。 「真夜中のトロリーバス」という詩が、とりわけ好き。 沈…

迷子

久しぶりに「となりのトトロ」をテレビで見た。子どもがなんだか大喜びで、めいちゃんが笑ったり叫んだり走ったりする度に、笑ったり叫んだり走ったり、うるさいことだった。さつきちゃんはいいお姉ちゃんだなあ、と見る度すこし胸が痛い。私の弟もよく迷子…

チェ・ゲバラの写真

昨日は朝からカンカン照り。それから激しい夕立ち。 夕方のローカルニュースで、チェ・ゲバラが撮った広島の写真を紹介していた。公園の慰霊碑と、慰霊碑の前に白っぽい服を着て立っている女の人と向こうの原爆ドームが写っている。チェ・ゲバラは1959年…

新しい朝

子どもが、顔に水をちらしてやってきて「アンパンマン。あたらしいかおよー」と言う。アンパンマンは顔が濡れたら、ジャムおじさんが新しい顔をつくってくれるが、残念だけれど、ちびさん、きみの顔はもう取り替えできないよ。せいぜい洗ってきれいにしてく…

夏の声

早朝4時半くらいになると、いっせいに鳴きはじめる。鳥の声、蝉の声、それからひときわきれいな高い声でリーリーリーと鳴いているのは何だろう。向かいの森の梢の高いところで鳴いている。その声がもうとてもきれいで、うっとりする。森は1日じゅう夏の声…

泥水の海の記憶

あの日の朝、弟が「姉ちゃん、雨漏り、雨漏り」と興奮して、鍋を抱えて2階にあがってくる声で起きた。12歳の夏の台風の朝。雨漏りの音があちこちでいろんな音をたてていると思いながら起きると、雨漏りは1階にまで達していて、玄関に入り込んでくる泥水…

ワーキングプア

他人事とはとても思えなかった。昨夜のNHKスペシャル「ワーキングプア」。働く貧困層の実態リポートだ。 ──日本で今、「ワーキングプア(働く貧困層)」と呼ばれる人々が急増している。 働いているにもかかわらず、生活保護水準以下の収入しか得られない…

「あるアイヌからの問いかけ」

昨夜、NHKのETV特集は「ある人間(アイヌ)からの問いかけ─萱野茂のメッセージ」。子どもを眠らせながら、というか眠らない子どもの相手をしながらなので、とぎれとぎれにしか見れなかったけれど、『アイヌの碑』などの本では知っていたけれど、映像で見る…

タトゥ

晴れ。蒸し暑い。 サインペンのキャップが出てきた。子どもが遊んでいてなくしていたやつ。汗ばむようになってくると、水性ボールペンでは皮膚に絵をかけなくなってきたので、最近はもっぱら油性サインペン。なかなか消えない。いれずみみたいだ。子どもの手…

通行止め

「あめあめふれふれ…らんらんらん」と毎日子どもは歌っているけれど、そんなのんきな雨ではないと思う。このあたり、今のところたいしたことはないけれど。 雨つづきで外に出ていないからだろうか。ここ数日、子どもは夜になっても眠らない。昼間寡黙な子が…

ポストカードのご案内

パアララン・パンタオ(思いやりの学校。フィリピン、ケソン市パヤタスのゴミの山のふもとにあるフリースクール)のホームページ http://kazu900.hp.infoseek.co.jp/ にお知らせのページを増設しました。 アジアの子どもたちをテーマにした澤口佳代さん撮影の…

海にお船を浮かばせて

水族館は海に面してあって、関門海峡をたくさんの船が行き来するのを、しばらく子どもと一緒に見ていた。「海」の歌をいっしょに歌った。「海にお船を浮かばせて行ってみたいなよその国」 はじめて外国に行ったのはこの海からだった。もう20年ほども前だ。…

電卓とらっきょう

週末は山口だった。子どもは、「こんにちは」「ありぎぎと(ありがとう)」「おはよう」「いただきます」「ごちそうさまでした」の挨拶ができるようになっていて、おじいちゃんおばあちゃんを安心、感心させていた。教えた覚えはないのに「しつれいします」「…

夏の雲

金曜日の午後から、山口のおじいちゃんおばあちゃんのところに行く。家を出るときは雨。信号のない山のなかの道を走っている間、ずっと雨。緑はきれいで、渓谷のいたるところ合歓の花が咲いていた。 途中、トンネル内の落石で遠回りをすることになる。ダムの…

夾竹桃

蝉が鳴きはじめた。昨日は暑かった。市内におりると、平和公園あたり夾竹桃の赤白ピンクの花が咲いていた。ああ夏だ、と思う。広島の夏だ。「夏だねえ」と一緒にいた夫に言ったら「核兵器の夏だ」と返してきた。たしかに、広島の夏ときてまず思い出すのは、…

お化け

中庭の奥の小屋で暮らしていた頃だから、5歳より前に見た夢をおぼえている。 夢のなかで母と私は夜の商店街を歩いていた。商店街は暗く、店も開いていない。じゃあもう帰ろうと、角を曲がると、どういうわけかそこはお化け通りで、ひとつめ小僧やろくろっ首…

水たまり

朝、外に出ると、風が吹いていて、向かいの森の緑がさわいで、どこかの家の風鈴がなっていた。湿気を含んだ重たい風は、かすかに、台風の匂いをさせているようだった。 子どもは水たまりに、わざわざ足をつっこんで遊んでいる。水たまりは気になるものらしい…

古着の話

近所で子どもの古着を一抱えもらう。小さい女の子の服。夏にフィリピンに行く人たちにもっていってもらうことにする。ごみの山の学校の生徒たちのクリスマスプレゼントか、植林のほうで売って苗木代にしてくれるだろう。少し汚れが目立つシャツは、うちの子…

蜂の巣

ミツバチではない、スズメバチでもないし、クマンバチでもない。肢体から察するにアシナガバチだが、ベランダに巣をつくっているのを、昨日見つけた。いつのまに。10数匹ものハチが巣にむらがって、忙しそうにしている。 このままにしておくわけにもいかな…

あじさい

小雨のなかで、あじさいがきれい。庭には4本の、色も形も違うあじさいが咲いている。狭い庭で、世話もしてもらっていないのに、けなげだ。 外を歩けば、どの家の軒先にも、あじさい。 戸口戸口にあじさゐ満てりふさふさと貧の序列を陽に消さむため (浜田到)…

七夕

七夕。向かいの森から笹竹とってきて、この2日ほど、あれこれ飾りをつくってぶらさげた。色紙のわっかをつなぐと、「きれいきれい」と子どもが喜んでひきずって、ふみつぶして、しょうがないので、ぺったんこになったのをそのまま飾る。まあ、こんなもんだ…

ろけっと、とんだ

夕方、台所にいると、「ろけっと、とんだ」と子どもが言いにきて、何かと思って見に行くと、テレビの画面でたしかにロケットが飛んでいた。北朝鮮のミサイルが発射されたというニュースだ。 「そうだね。ろけっと、とんだね」 高校生のとき、ソウルの大学生…

夜ごと夜ごと

夜になって、ざんざん雨降り。どしゃ降り。最近、夜になると降る。 子どもは夜ごと夜ごと、電気を消してからがうるさい。闇のなかで、1時間も2時間も、しゃべりつづけ、歌いつづけ。絵本は何冊も暗記しているようで、それを呪文のようにぶつぶつ唱え、かと…

またあした

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合歓の花

向かいの森に合歓の花が咲いている。2階の窓から、桜の木の向こうにちいさく見える。 はじめて合歓の花が咲いているのを見たのは、いつだったろう。渓谷の、雨に濡れた緑のなかに、けぶるような桃色の花がきれいだった。あれはどこだったろう。車の窓から見…

雨音

深夜から明け方まで大雨。雨音のはげしいせいで、子どもが眠らない。歌ったりあばれたり、寝ぼけて動き回る。だっこすると眠るけど、ふとんに降ろすとぐずぐず泣く。赤ちゃんのときみたい。 朝になって雨がやんでから熟睡。しばらく起こさずにおこう。 フィ…