2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

他人の国

大雨。 すごい雨。 夜の雨がささやき、なんてものではないが、思いだしたので。 韓国の詩人、尹東柱の詩。 ☆ たやすく書かれた詩 尹東柱 窓の外に夜の雨が囁(ささや)き 六畳部屋は他人の国、 詩人とは悲しい天命だと知りつつも ひとつ詩を書きとめてみるか…

ノーモアヒバクシャ

NHKが「ノーモアヒバクシャ」というサイトを立ち上げたようです。 http://www.nhk.or.jp/no-more-hibakusha/ ヒバクシャの証言に出てくる、広島の沼田鈴子さんには、02年の秋に、お会いしてお話聞かせてもらいました。そのときの印象が鮮烈です。 話の…

やさしさのどん底

短歌研究7月号に「わたしたちの路地」の書評。 天草季紅さんが書いてくださいました。 「一見廃墟のように見えるその路地が、酷たらしい姿のまま、しかしけっして廃墟ではなく、優しさの源泉として見つめられているところに希求の深さを感じることができた…

「回生」

鶴見和子歌集「回生」を読む。 脳出血で倒れてから、半世紀ぶりに歌があふれだした、というもの。 鶴見和子の「対話まんだら」を以前に読んだ。石牟礼道子の巻、中村桂子の巻を読んだかな。 「内発的発展論」という言葉にとても魅かれた。 以前、ゴミの山の…

蛍飛びはじめた。もしかしたらもっと前から飛んでいたかもしれない。 昨夜、ゴミ置き場のうしろの森のあたりで、3匹ほど光っていたのを、子どもと一緒に見た。 ☆ 「ブンガワンソロの入ってるCDをもっていたでしょう」と昔、しばらく一緒に暮らしたことの…

根拠のない

ちびさん「ぼくは、ママのことが、ひじょうに、だいすきなんだ」と言って寝る。キスして腕まくらまでしてくれる。今だけのことだろうから、せいぜいしてもらっておくことにする。 ちびさん「ひじょうに、だいすき」という言い方が、しっくりくるらしく、そう…

パアララン・パンタオ新学期

フィリピンでは6月から新学期が始まります。 パアララン・パンタオも生徒の受け入れが始まっています。 大盛況だよ。 ジェイ(校長のレティ先生の息子)がメールをくれたのですが、 About the enrollment, wow, we have so many students this year. 200++ …

「短歌の庫」で

万来舎のHP「短歌の庫」で、江田浩司さんが「christmas mountain わたしたちの路地」を2回にわたって取り上げてくださっています。 http://www.banraisha.co.jp/humi/eda.html 「このコラボレーションを主導しているのは(略)様式に基づく言葉の共同性で…

踊る△

カレンダーには赤い△が踊っている。1日に小さい△がふたつならんでいるときもあれば、なんにもない日も、大きな△がどかん、とある日もある。△の横には、「成功」「まあまあ成功」「大成功」とか、「失敗」「大失敗」「大大失敗」とか、「ダメ」とか「マヌケ…

知能テスト/傾向と対策

昨日の午後、療育の診断。 知能テストの結果を聞く。 「いい結果ですよ」と医者さん。 ファイルには、ちょうど2年前に発達検査を受けたときの資料もあって、あのときは、発達指数70のボーダーで、1年ぐらいの遅れを指摘されたのだったけれど「赤ちゃんだ…

あの庭のどくだみの花のことなど

あの日は雨 下宿の庭のどくだみの白い十字の花が濡れていた と(何年か前に)書いたとき、あの日、とはなんの日を想起して書いたのか、今さっぱり思い出せないのだが、下宿の庭のどくだみのあざやかさだけは、今もありありと思いだせる。大学の2年目だった…

ビワとカラス

庭のビワの実がたくさんとれたらしく(しかも鳥に食われなかったらしく)おじいちゃんがこないだもってきてくれた。おじいちゃんはもちろん、孫に食べさせたかったのだが、孫のほうは、 「あー、ぼく、それは食べたことがないから、食べられないんだ」 など…

お金の計算

ちびさん、6両編成の電車と6両編成の電車が連結すると、12両編成になるとか、8両編成と8両編成だと16両編成になるとか、すらすら計算する。 ので、それくらいの足し算はできるのかと思っていたんだが、 10円と2円で、12円になる、ということが…

挑戦と応戦 いぬおことわり

気がつくと、家のなかの戸という戸に「いぬおことわり」の貼り紙がしてある。玄関にも貼ってある。 このあたり、犬を飼っている家が多い。3軒に一軒は飼っているのではないだろうか。右隣りも左隣も飼っている。 それで、道を歩けば、必ず2度や3度は犬に…

ある見解

「発達障害の子どもにとって生きやすい環境は、他の子どもにとってもいい環境のはずだし、発達障害の子どもに、有効なこと、学習方法でも何でも、は、他の子どもにとっても有効なはず、だから、発達障害と診断されたことで、医師からアドバイスがもらえたり…

思想が奏でる叙情性

読売新聞伊賀版(6月9日付)に、李正子さんが「christmas mountain わたしたちの路地」を紹介してくださっていました。ありがとうございます。「思想が奏でる叙情性」という言葉が、心に残りました。 早朝はいちばん安い塩パンもまだあたたかい涙のようだ …

どんぐり、について

どんぐり、と聞いて、思い出すのは、宮沢賢治の「どんぐりと山猫」。 「このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ」 大好き。これ。 ところで。 塾の先生をして…

水たまりが怒っている

「ママだいすき。ママがいてくれてうれしい」と、朝抱きついてきて言う。それはありがとう。でも、顔洗って着替えないと間に合わない時間なんだが。 で、朝のしたくを促そうと思って、「次、何するの」と言ったら、 ぶっちゅー、とほっぺたにキスしてくれた…

就学を考える会

午前中、療育センター。 「就学を考える会」の二回目。 先輩お母さんたちの話を聞く。 ひとりは、発達支援学校か発達支援学級かで悩んで、地域の学校の支援学級に行かせているお母さん。 もうひとりは、支援学級か通常学級かで悩んで、通常学級に通わせてい…

雨の王冠/知能テスト

雨の一日。梅雨に入ったのだろうなあ。 朝、家を出るとき、とりわけ激しく降っていて、 「今日の天気は雨」と言った子が、 「今日の天気は雨、じゃなくて、雨つぶ」と言いなおしていた。 アスファルトに打ちつけられてできる水の冠に、えらく興奮して、幼稚…

光州事件

朴正熙が暗殺されたニュースを、たまたま見ることがなかったら、私の人生はずいぶん違うものになっていたかもしれない。 あの暗殺のニュースで、高校生の私ははじめて、韓国、という国があることを意識し、どういう経緯だったのか、まもなくソウルの大学生と…

昨日の105円

昨日はお世話になっているボランティアグループの集まり。 ここんとこ出費がかさむ。なんといっても、道路移管(このあたり私道なのだが、それでは不便なことも多く市に移管する予定。そのための測量の費用やら何やらで、一軒あたり8万円ほどかかる)の出費…

かおがない

今朝、いつものように道にすわって、幼稚園バスを待っていたら、通りがかったおばさんが「おはよう」と挨拶してくれたのに、ちびさん、私の腕に顔を隠して、 「ミミズさんにはかおがない」 と返事するのだ。さらに続く。(顔はかくしたままである) 「ミミズ…

ゆめのうちなる

夢。 この世を夢と思うとき、たちまち思い出すのは、たとえば閑吟集の次のような歌。 よし それとても春の夜の ゆめのうちなる夢なれや ただ何事もかごとも 夢幻や水の泡 夢幻や 南無三宝 くすむ人は見られぬ 夢の夢の夢の世を うつつ顔して 何せうぞ くすん…

「ヒマラヤの孤児マヤ」

岩村昇、という名前を、聞く。 聞き覚えがある名前。小学校のころに聞いた。 ネパールに行ったお医者さん。 気になって検索しているうちに思い出してきた。 1960年代から1970年代の20年間ほど、ネパールに住んで、結核予防に取り組んだお医者さん。使用済み…

気象館

江波山気象館に行く。 海のほう。 昔このあたり、在日韓国人被爆者の証言を聴くのに、自転車で通った。 3軒くらいのお家に何度も通った。もうみんな亡くなった。 それがどのあたりだったか、もう思い出せない。 すでに見知らぬ風景のようだった。 気象館は…