思想が奏でる叙情性

読売新聞伊賀版(6月9日付)に、李正子さんが「christmas mountain わたしたちの路地」を紹介してくださっていました。ありがとうございます。「思想が奏でる叙情性」という言葉が、心に残りました。

 早朝はいちばん安い塩パンもまだあたたかい涙のようだ
 ゴミのトラックそれから痩せた皮膚病の野良犬たちに道をゆずって
 貧困にひきずりまわされても子らの凧が喜びのように舞いあがる
 ペルー人一家と夜汽車に乗りあわす大垣発ドコカ仕事アルトコロ
 (ゴム草履でゴミ踏むようにわたしたち星の破片を踏み分けてゆく)
 遠い日にクリスティーナが分けてくれた塩パンがまだあたたかいまま

 


なーんでこんな、カンカン照りの、雲もなく風もない日に、凧もって走らなきゃなんないのか、
糸の先のビニール片は、地面を転げまわっているか、ひきずられているか、ようやく肩のあたりに浮いているかなんだが、
もう、息、きれ、た。

どこにも行かないで、子どもとふたりで過ごす休日は、一日がながああああーい。