のどかな春の

三月最後の週は、息子を送って鹿児島へ。あったかいわ。ツツジが咲いていた。好きなことは、したほうがよい。綿の抜けたぬいぐるみみたいにへたっていた息子が、旅が終わると、元気になっていて、あんなに心配したのはなんだったんだろう、って感じ。   

 

春休みの最後を、指宿、山川あたりにドライブ。開聞岳はやはり美しい。空も海も青いし。道の駅のごはん、おいしいし。たまて箱温泉、気持ちいいし。指宿の菜の花畑はもう刈られていたんだけど、傍らに、橋牟礼遺跡。遺跡の竪穴式住居は、土と木の匂いがした。

その次の日は、早朝から嘉例川駅へ。桜を見に。鶯がよく鳴いていた。2年前の5月の連休にはじめてここに来たのだ。私の友人のお父さまが、この路線の横川あたりの生まれで、帰省して、私たちをドライブにさそってくれた。天気もよくて、楽しい気持ちのいい日。滝を見にゆき、温泉にゆき、忘れがたい日になった。まさか、その翌年に亡くなってしまうなんて思わなかった。

 

それから移動して、植村駅あたり。バス停見たら、バスが1日に1本だけくるらしい。菜の花と桜。雲が、なんかしあわせそうに浮いてる。いかにものどかな春の日。

30日。息子を置いて広島に戻る。

春になれば、鶯が鳴くように、花が咲くように、ものごとは自然に動きはじめる。怠けものの私にも、何か不思議な力が働いて、なすべきことはできるだろう、と感じてはいた。のどかな春の日に。