2006-01-01から1年間の記事一覧

無事に

帰国しました。4年半ぶりのフィリピンの、滞在はたった2日という慌しさだったけれど、会いたい人にはみんな会えて、食べたいものも食べれて、というか、食べつづけ、呑み続けだった。4年半の歳月が嘘のように、会えばたちまち家族のなかにいるようななつ…

コヒネガフラクハ

「冀」という漢字。漢文の書き下し文なんかで、コヒネガフラクハ、と読み仮名がついていたりした。 字書を引いてみる。白川静氏の「字統」によると、「キ ねがう こいねがう」「金文の字形は鬼形のものがその手足を披き、角飾をつけている形で、北と異とに分…

消えてゆく光景

「書いておかなければ、消えてしまうよ」と、あれは司修さんに言われたのだった。 司さんの挿絵の載った古い絵本を手に入れたとき(捨てられようとしていたのを拾ったのだが)、知人が司さんを知っているというので、頼んで、サインをもらいにいった。そのとき…

初雪

今朝は、外が白い。初雪、初積雪。 昨日の午後から雨のちみぞれのち雪、ではあった。 さむい。 子どもを病院に連れていくつもりだったけど、行かないほうがいいかなあ。

子どもは突然熱を出す。寝入ってからも子どもは寝言をしゃべりつづけていて、(「ママ、ドナルド」「ママ、グーフィー」とか、楽しそうな寝言で何よりだが)、いつまでも黙らないのが気にはなっていたが、すりよってきた体が熱い。起こして熱を測ると38度6…

『路程記 野樹かずみ歌集』

歌集でました。 『路程記 野樹かずみ歌集』 http://www.bookpark.ne.jp/cm/utnh/detail.asp?select_id=56 よろしくお願いします。買ってください。 ようやく歌集できて、ああ、ようやくひとしごと終り。 お世話くださったみなさま、ありがとうございます。

友よ。 君はいつか 木で何かの小さな像を刻んで持って来てくれて 「なぜ 僕にも何か作ってくれないのだ?」と そう言った。 何が欲しい と僕が尋ねると 君は「箱」と答えた。 「何に使う?」 「物を入れる」 「どんな物を?」 「君の持っているものを何でも…

メリーさん

雨だ。庭の落ち葉が濡れて、靴にからみつく。向かいの森で、ときおり小鳥の鳴く声がする。 冬の雨。こういう日はこたつに入って、歴史小説でも読んで過ごすのがいい。 今読んでいるのは、スコットランドの女王、メリー・スチュアートの伝記小説。 タータンチ…

交差する景色

知人の老夫婦のところから、あれこれの不要のものを、車につめこんで帰る。おばさんが歩けないので、ベッドと車椅子がはいると、部屋は身動きならないほど狭い。いらないものを捨てないと片付かない、でも使えるものを捨てるのはもったいない、というわけで…

どん底への競争

もうとても他人事と思えず、番組の最初から、泣きながら見た。NHKスペシャル「ワーキングプアⅡ」。 これまでの社会、というものが壊れはじめ、別のものへと変貌してゆくのを見ているのに違いないれど、この変貌の先には何があるのだろう。 「どん底への競争…

くりくりまうすのつりー

いまにも降り出しそうな空模様にも関わらず、そして実際、小雨に降られたのだが、昨日の午前中は、近くの運動公園で「秋」の催しがあり、地元の野球選手をまねいての、少年野球教室と、園芸店主催の草花教室。 家族で草花教室に行ってきた。無料で花とプラン…

1991年2月 レンドラの詩

戦争は とめられたことがないからって 正当化するわけにいかない なぜなら王座の他に 詩があり 財産の他に 子をみごもったお母さんがいて 人間の栄華の上 大いなる宇宙があり つがいのイルカが 水平線に光り輝いているのだから 1991年2月 レンドラ (イ…

傷は大いなる無知の証でもあるのです。 ナーズィク・アルニマラーイカ(イラク) と、古いノートに書き付けている。なんで見た言葉か思い出せないけれど、そのあとに、レンドラ(インドネシアの詩人)の詩が書いてあって、詩の日付が1991年とあるから、きっ…

冬晴れ

昨日は、きれいな冬晴れで、空には雲ひとつなかった。 昨日の午後は郵便局、銀行、知人の見舞いに行く。郵便局と銀行は、フィリピンのゴミ山のフリースクールへの送金のため。予定していたより、すこしだけ余分に、そして思っていたより少しいいレートで、送…

反抗期

反抗期、に違いない。理由はない。3歳の子どもは逆らいたいのだ。そう、何から何まで逆らってみたい。 そうして都合が悪くなると、両手で顔を隠してみたり、耳をふさいでみたりする。よつんばいになって、首をぶんぶん振っているのは、まるで張子の虎みたい…

ピーマン

白菜、大根に続いて、採れ過ぎたピーマンが大量に廃棄される映像を見た。鹿児島のほうらしかったが、廃棄を強いられる生産者はせつなかろうと思った。 その翌日だったか、スーパーにいくと、3袋98円で売っていた。鹿児島の産。買って帰った。 たくさんあ…

ALWAYS

とても久しぶりに、隣の地域の集会所の、週に1度の親子サークルに行く。画用紙にきりんやシマウマの模様の紙をはりつけて、そのほかは自由に色紙を切ったりちぎったりして貼って遊ぼう、ということをしていたが、子どもは、あれこれのおもちゃが気になって…

「小公女」

子どもはテレビのチャンネルを自分の気に入りの天気予報か、ディズニーチャンネルに換えると、リモコンを隠しに行く。そうやって親子でチャンネル争いがはじまったりするんだが、リモコンを取り戻しに行くのも面倒で、そのまま見ていると、ディズニーチャン…

ジュースとビスケットとお好み焼き

昔バイトしていた店に半年ぶりぐらいに行く。行ってごはんを食べても食事代をとってくれないので、かえってなかなか行きづらいのだ。昨日はそれで、知人の家を訪ねるからといって、お好み焼きを4枚、お持ち帰りにしてもらって、それなら代金をとってくれる…

大漁

北海道の浜にはまた、大量の秋刀魚が流れ着いたという。なんだか圧倒されるような映像だ。 2日ほど前、近所でもらった秋刀魚は、三重のほうの人がくれたものとか。すこし干したものを凍らせてある。きっと冬の保存食なのだろう。尻尾のところで、まとめて紐…

もったいない、けど

数日ぶりに晴れ。掃除は、はじめてみれば終わりがない。どこかで妥協してやめるしかないのだが、まだ妥協できるほどきれいになっていない。ので、今日もこれから掃除。 昔、母は、捨てるのはもったいないからと言って包装紙の1枚も捨てずにとっていた。棚の…

秋雨秋風

今日も雨。向かいの森の紅葉がきれい。 「秋風秋雨人を愁殺す」という言葉など思い出す。武田泰淳の小説でも知られるが、中国の女性革命家、秋瑾のあまりにも有名な詩。 絶命詞 秋瑾 秋雨秋風愁殺人。 (秋雨 秋風 人を愁殺す) 31歳で処刑された秋瑾は、ほん…

ふとんの山

今日も雨。向かいの森の紅葉が、雨のなかいっそう鮮やかで、外に出る度、息を呑む。 秋の終わりの雨は、うっとりしてばかりもいられなくて、押し入れの防かびシートの取り替え時期だと思い出す。昨日は、布団だの毛布だの衣装ケースだの、なかを全部ひっぱり…

紙飛行機

子供 海がすっぽりはいる絵で 一羽の白い鶴を折る 北島(ペイタオ)の詩「太陽の都ノート」から 子どもがマクドナルドのレシートを拾ってきて、「M」という。レシートにMのマークがあるのだ。つづけて「かみひこうき」という。小さなレシートで紙飛行機を折…

「いちぢくの葉」

昨日は1日じゅう雨だった。庭や向かいの森の紅葉が、雨に濡れて、体に染みとおってくる気がした。なんでもない景色が、きれいだ。 子どもはピンクの傘を半ばひきずるようにしながら、長靴で水たまりのひとつひとつをびしゃびしゃ踏みながら、ほんの近所に行…

息切れ

「かさ」と小さく叫んで子どもは走り出した。夕方の運動公園で、もう帰ろうとしていたころに、帰り道とは反対側に走っていく。何なのかわからないまま、あとをついていって、ようやく、「かさ」というのは、ベンチの上の屋根のかたちが傘のように見えるのを…

大正15年

昨日の午後、近くの集会所でカラスの会の催しがあるというので、行ってみる。カラスの会といっても、カラスとは関係がない。このあたりではたぶん名の知れたまちおこしグループだ。地域の古い写真や映像をずいぶん集めて、展示上映などしている。平日の昼間…

誰がこの階段を

その詩を、なんの本で読んだのだろう。学生のころに読んだのだが。ノートに書き抜いているので、それからあとも忘れずにいる。ある時期、とても好きな詩だった。なにかしら切実だった。森川義信の「勾配」という詩。 その詩のことを思い出したのは、長田弘の…

ピンクの傘

昨日も雨。平和公園でボランティア関連の催しがあって、フィリピンの植林をしている知人のグループのブースもあるというので、顔出しに行く。写真展示とラタン製品の即売。ラタンの籠は全部売れたそうでよかった。 雨の平和公園を、子どもははじめて自分で傘…

風が帽子を

昨日は1日じゅう雨。こたつにもぐってうとうとしているのは、とてもしあわせ。だったが、「こら、おきろ」と子どもに起こされた。「ごはん、たべるねー」と催促する。なかなかうるさい現場監督なのだ。 引き出しの隅から残り毛糸が出てきた。すこしだが、子…