1991年2月 レンドラの詩

戦争は とめられたことがないからって
正当化するわけにいかない 
なぜなら王座の他に 詩があり
財産の他に 子をみごもったお母さんがいて
人間の栄華の上 大いなる宇宙があり
つがいのイルカが
水平線に光り輝いているのだから
 
         1991年2月 レンドラ (インドネシアの詩人、1935年ジャワ生まれ)  
 
 古いノートに書きつけていた詩。たぶん、湾岸戦争の頃に、何かの雑誌で見た。
 そういえば昨日は、日米開戦の日。1941年だから、65年前だ。10年をひとむかし、という言い方は、小学生のとき「二十四の瞳」という本を読んだときに、おぼえたのだったけれど、子どもの頃、10年というと、過去に向けても未来に向けても、とほうもなく長く遠い歳月だった。それなのに、いまや、10年なんて一瞬のことと思えるのは、私も年をとったのだ。65年前、なんて、ただ私が生まれていないというだけで、もしかしたらたった昨日のことかもしれない。