かおがない

今朝、いつものように道にすわって、幼稚園バスを待っていたら、通りがかったおばさんが「おはよう」と挨拶してくれたのに、ちびさん、私の腕に顔を隠して、

「ミミズさんにはかおがない」

と返事するのだ。さらに続く。(顔はかくしたままである)

「ミミズさんはかおがない。かおがないと、どこのミミズさんだかわからない。ともだちのミミズさんだか。しんせきのミミズさんだか。みずしらずのミミズさんだか。」

「かんがえるカエルくん」という絵本のなかに、そういう話があるのだが、みずしらずのおばさんに、いまの君の態度を、私はどうやって説明すればいいんですかあ。
おばさん近寄って耳を傾けてくれている。絵本の話をしているのだというと、なぜか「その絵本のことを教えて」とおばさんが言う。
するとちびさん、(もう顔をかくしていないが、おばさんのほうは見ないまま)ミミズの話をつづける。

「ミミズさんはかおはないけど、でも口はあるんだ。それで、土のなかのえいようぶんをたべるんだよ」

ちびさん、ミミズの話をつづけて、おばさん辛抱づよく聞いて、「かしこい子だねえ」と言ってくれる。ええ、記憶力はよろしいです。
問題は、「おはよう」と言われて、「ミミズさんはかおがない」と返事するのが適当かどうか、ですね。

はあ。

おばさん、子ども向けの人形劇をやっているらしく、来月、区民文化センターでおたまじゃくしのお話の人形劇をするからと誘ってくれた。