ミツバチではない、スズメバチでもないし、クマンバチでもない。肢体から察するにアシナガバチだが、ベランダに巣をつくっているのを、昨日見つけた。いつのまに。１０数匹ものハチが巣にむらがって、忙しそうにしている。
このままにしておくわけにもいかないので、殺虫剤をかけてハチを追い払い、その隙に、箒の柄で巣を叩き落とそうとしてみるが、落ちない。園芸道具の鉄の先の尖ったので、根元をこすって、ようやく庭に落とした。
やがて生きのびて逃げていたハチたちが、もどってきて、巣を探して飛んでいるのが、なんとも切ない。子どもが「ハチさん、ごめんなさい」と言う。
庭に落ちた巣を見てみると、巣のなかには一部屋に一匹ずつの幼虫。もう生きられないだろう。巣ごと向かいの森に放り投げる。ハチさん、ほんとうにごめんなさい。
