帰省の話④ 四万十川

台風の傷あと生々しい四万十川で遊ぶ。杖を忘れて歩くのが大変だと言いながら、こういうとき一番元気なのは父である。率先して水のなかにはいっていったり、面白いかたちの石を拾ったりしている。重いのに持って帰るつもりだ。

息子は石を遠くへ投げる練習。簡単そうなことがむずかしい。教えているパパが熱くなる。

水のなかに、しきみが挿してあって石の上に塩が供えてある。すこしすると、お婆さんがやってきて、また別のところにしきみを挿して、線香を焚く。帰り際、しきみをかかえて川に降りていく女たちの一群とすれ違った。ああ、お盆だからだ。たぶん、こういう風習があるのだろう。

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駅の近くの製材所。木の匂いがするのがなつかしい。夕暮れのホームで、息子がレールの上を歩いて遊ぶ。じいちゃんが真似して遊ぶ。杖がないと歩けないはずの人が。

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