ぼくが女子にやさしいわけ

息子、クラスの男子たちに、言われたらしい。
「おまえ、男子に対するときと女子に対するときと、態度が違うよな? どうして女子にやさしいんだ?」
それで息子は答えたらしい。
「女の子に優しくするのは、当たり前だろ?」
優等生の答えだが、息子が言うには、友だちには言わなかったけど本当はもうひとつ、理由がある。
「だって、女子って、機嫌そこねたら、何するかわかんないから」
って言うので、笑った。

なるほど。女子を怒らせたら、パンツ脱がされるもんね。
「あれは4年前のことだよ」って、息子もありありと覚えているのだった。
まとわりついて、ノートをのぞいてくる女子がいて、いやだったから、「じゃまするな」と書いたら、その後いっそうしつこくつきまとわれたり、からかわれたり、叩かれたりしたあげく、女子数人に襲われてパンツ脱がされたのが、小学校3年のときだった。
連中と同じ中学に行きたくない、のが中学受験の第一の理由だったのだが。

別に何もしてないし、授業でわかんないところを教えてあげたりしているだけ、だそうだが。
「なのに、女子にやさしいって、からかわれるのは困る」って言う。
簡単なことだよ。男子にもやさしくすればいいんだよ。女子よりもっとやさしくする。だれにでもやさしいぼくになる。
「えーっ」って言う。ありえないらしい。