うまやどさん

子ども、宿題もしないで何しているのかしらと思ったら、こんなもの書いていた。
戦後の景気の移り変わり。
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フリーハンドで何も見ないで書いていたけど、正しいかしら。正しいような気はする。とにかく彼の頭のなかではこういう理解だ。
左端のほうは、米軍特じゅ、って書いてある。
年号も覚えていて言う。
「1946年日本国憲法。1950年朝鮮戦争。1972年日中国交回復。1988年瀬戸大橋開通。1992年毛利さん宇宙へ。」

今後の推定まであるなあ。2025年が2020年になってるけど、そのころにはまた景気がよくなっているらしい。

それから、図工の時間につくった飛行機。

最近の愛読書は、高校日本史の資料集だが、歴代内閣一覧のページがあるんだが、そこに書き込んでいた。野田内閣の終焉と第二次安倍内閣5143348_1852161473_201small1


それで子ども、ニュースで耳にした日経平均株価を、わざわざ教えにきてくれるのだが、教えられても私は意味がわからん。為替のほうはかろうじて意味がわかる。

選挙前にパアラランに送金できてよかった。350人の子どもの面倒みるには圧倒的に足りない金額で、それでもなんとか学校をやってこれてるのは、円高のおかげなんだけど……というのが、私にわかる意味。

政経の授業は、中学のときも高校のときも、私はさっぱりわからんかった。インフレもデフレも、なんのことやら。わかるのは、物価がどうだろうと、うちにはお金がないらしい、ということだけだったのだ。まして、自分の生まれる前の話なんて。まして戦争より前の話なんて。

高度経済成長の意味は、おやつの菓子パンが25円から30円になり、50円になり70円になって、とても悲しい思いをしたということぐらいなんだが。

子ども、高度経済成長やバブルの時代を経験してみたかったそうである。
いや残念がることはないよ。どんな時代も、貧乏な人間は貧乏しか経験しない。

自由帳には、また思いっきり遡って、冠位十二階とか、十七条の憲法とかの書き込みがあるが。
私もう、ついてゆけない。あれこれ話しかけられても何の話だかわかんないから、ちゃんと本や資料集見せて説明してください。

夜、うまやどさん、と呼んでみたら、子ども、
「はい、なんでしょうか、推古天皇」と、
胸の前で両手を組んでパジャマの袖の中に入れてお辞儀する。
すっかりその気だ。
うまやどさん、おねがいがあります。
「おねがいというのは、摂政になれということでしょうか」
そうですね。摂政になってもらってもいいんですが、その前に、このまわりに散らかしているものを片付けていただければ、ありがたいのですが。
「かしこまりました。ただいま片付けます」

これはいい。今日からこれで片付けさせよう。

うまやどさん、明日から冬休み。
私はこれから懇談会。行かなくちゃ。