週末の作文のテーマは、音楽発表会についてだった。
それで息子が書いていたタイトルは「スッキリしたわけじゃない」
なかなかわかりにくい文章だったが、だいたい次のようなことだ。
カントリーロードは聞き慣れていて好きな曲だが、歌詞が替え歌のところもあって、つぎはぎで、おぼえにくい。それでぼくは、こんなの歌うの「無理無理無理無理、絶対無理」と思った。それでも歌うよりしょうがないので、なんとか歌ったけど、口のまわりの皮膚炎が気になったのもあって、楽しくなかった。この次は楽しく歌ったり演奏したい。
彼らが歌ったのは、サビの部分は英語、あとは映画「耳をすませば」で使っていた日本語の歌詞と、ここの地域のことを書いたオリジナルの歌詞をまぜたものだったのだが、このオリジナルの詞が悪いので、おぼえられないし、好きになれないし、歌って楽しくなかった、と言いたいわけだった。
が、そこまであからさまに言わないところが、つつしみあるというか、もどかしいというか、まあへんな日本語になってるんだけど、でも言いたいことはわかる。
具体的に書いてごらんよ、って言ったら、PSをつけて書いていた。
ぼくが思うには、「……」の部分は良いけど、「××ロード」は響きがとても悪い。カントリーロードのままのほうがよかった。
いや、まったく同感ですけど。
あれは恥ずかしいよね、かっこよくないよ、って言ったら、ほっとしたみたいに「うん、うん」ってうなずいていた。
で、息子は、おぼえにくいし好きになれない歌詞なので、せっかく好きな曲を歌うのに、悔しいなあと、思ったわけだった。
そういえば家で歌うときは、英語の部分しか歌ってなかったので、息子の葛藤については、作文見るまで知らなかった。
人生には、ほんとうに無駄な葛藤が多い。
どの先生が考えた歌詞かわからないけど、こういう批判が子どもから出てくるとはきっと思ってないだろうな。でも、あの安易な歌詞は、ちょっと反省していただけるとうれしい。
子どもには、子どもだましをあたえてはいけないのだと思う。
(追記)
数日後、作文のノートが返ってきた。オリジナル歌詞は、児童の提案をもとにつくられたらしい。それじゃあ、がまんして歌うよりしょうがないね。先生の名誉のために追記っと。