キーボードのふたり

明日、小学校で地域の見回りパトロールの人たちも参加しての安全集会があって、うちの地域、老人たちがゲートボールの日だから行けないというので、頭数のために私行かなきゃいけない。早朝から。体育館寒いからいやだな。そのあと、音楽発表会。

人数多いから学年ごとなんだけど、2年前までは6年生だけはクラスごとの楽器演奏で、曲もコナンやルパンがあったり、マイケル・ジャクソンがあったり、自由で楽しかった。それで息子は、6年生になったら、と楽しみにしていたのが、なんと去年からは、6年生も学年でひとまとめ。ということは、たいていの子はリコーダーか鍵盤ハモニカになるわけだ。それでも去年は、八木節で、和太鼓もあってなかなかよかったんだが、今年は、校歌! ときたもんだ。もう一曲は、雨の歌かなんか、歌。息子はがっかり。

もうひとりがっかりしてるのが、ピアノ仲間のYくんで、Yくんほとんど学校に来てないし、運動会も出なかったし、でも音楽会はそれなりにやる気だったのだ。ピアノなら弾ける。
ところが、ピアノは先生が弾くんだって。
それでも、雨の歌のほうのキーボードを、Yくんと息子ですることになったが、あまりに簡単なのと、合唱がひどいのとで、Yくん練習に出て来ず。そもそも学校に来てないんだけど。
でも息子が、ピアノの教室で会う度に、練習に出て来いよう、と言っていたら、練習の日は出てくるようになった。
さてそれで、ピアノの教室でレッスンのあとに、ふたりが喋っていたのは、合唱のひどさについてだった。聴くにたえない、らしい。音も速さもずれまくっている。なのに合唱の連中が、キーボードのふたりがあっていないと言ったらしく、ふざけんな、ずれているのはおまえらだ、とその場で言い返せなかったことを、ぶちまけているのでしたが。

Yくんのクラスは学級崩壊。息子のクラスは大丈夫そうだが、音楽と家庭科は崩壊。なので6年生全体が音楽は崩壊。

Yくん、学級崩壊の教室にいるのがたえられないし、熱まで出るのだが、気の毒すぎると思う。運動会の練習の頃に微熱がつづいた息子も気持ちはよくわかるので、共感している。
「保健室にいるとほっとして熱が下がる。下がった頃に先生が来て連れていかれる」と息子。「おれは連れられていかない、絶対いやだ」とYくん。
このふたり、クラスが同じならよかったのに、なぜか一度も同じクラスになったことがないねえ、とYくんママとお話ししたことだった。
それぞれに孤立し孤独なふたりが、最近はピアノの教室で会うとじゃれあったりして打ち解けている。
Yくん、ずっと睡眠障害があったのが、漢方を処方してもらったら起きられるようになったと言う。そういうこともあるんだ。
すこし元気になって、いまはピアノのコンクールに出るので練習しているという。なんとなくうれしい。