2016年8月 Paaralang ⑥

8月5日。金曜日。

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早朝から、ハルカちゃんとロイダさん(リサイクルグッズの作り手さん)と一緒にエラプ校に行く。
エラプ校の3階では、ときどき近所のお母さんたちが集まって、リサイクルグッズ製作のトレーニングをしている。製作グループをたちあげること、技術指導のこと、たいへんなことも多いだろう。ハルカちゃんのバイタリティに感心する。
留学生で、ハロハロのインターンの雄飛くんが来ていた。いろいろ話ができてよかった。パアラランは22年前から留学生たちが通ってくれて、大学での支援活動もしてくれて、学生たちの活動はほんとにすばらしいんだけど、先輩たちがどんなに活躍したかということが、なかなか伝わっていないのは、残念かも。

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ベイビー先生がいたので、そういえばもうすぐお誕生日ねって言ったら、今年はお誕生日はないのよって言う。生まれて10ヶ月になる孫のPJが、病気で水曜から入院している。だからお金がない。たぶん1週間ぐらい入院する。辞書がないので(読めないので持ち歩くのやめたのだ)はっきり確認できないが、私の理解では、遺伝性の甲状腺に関係する病気みたいだ。

1階と2階の教室ではクラスが始まっている。エラプ校の午前のクラスは8時から。奨学生のデニスは、カレッジの制服で来ている。彼女は水曜日は一日中、ほかの日は、午後がカレッジのクラスがある。月、火、木、金曜の午前中、エラプ校のティーチャーをしている。

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教室では、いろいろ面白いことをしている。まるや三角や四角の紙を貼って、人の形をつくってみたり、光る台紙に色紙を貼ってきらきらする車を作ってみたり。自分の名前を書く練習をしているクラスもある。名前のあとは、瓶の蓋を使って、それを並べて数を数える練習。

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午後、パヤタス校にもどって、パヤタスカード(寄付してくれた人に送る絵のカード)の準備していたら、出かけるよ、ってグレースが言う。どこに? ドライマンゴー買うんでしょ。それからアチバルのところ。

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で、お出かけ。ジープニーに乗って、乗り合いタクシーに乗り換えて、SMノース(大きいショッピングセンター)に行ったらフードコートのディスプレイがなぜか桜の木だった。ドライマンゴー、20個買おうと思ったけど、安くないので15個にする。
それからタクシーで、アチバルが入院している病院へ。
今まで気にとめたこともなかったけど、息子が車が好きなので、ちよっと気にして見てみると、日本車ばっかり走っている。トヨタ、三菱、日産、ホンダ、スズキ。トラックはイスズ、バイクはヤマハ。新しい車も多い。

国軍病院。グレースは入口でIDチェック。お母さんのジンジンもいた。ふたりに会えてなんかほっとした。アチバルは入院して2週間で15キロ痩せたっていうけど、去年と同じなので、もとにもどったということだと思う。軍隊に入ってすごく増えてたんだな。クレアチニンの値が1800とかになっていたらしいんだけど、いまは正常値に戻りつつある。あと2週間で退院して、その後は毎月検査をする。軍の病院なのでお金はいらない。でも、この弱い腎臓で軍隊は無理だから、やめてオフィスの仕事に戻るつもり。まわりの入院患者のおじさんたちはネフローゼらしい。
弟のライジェルは、去年進路に悩んでいたが、あれからロウェルと同じカレッジに進学した。 突然雷雨、それからスコール。それから雲の切れ目から、真っ赤な夕焼けが見えた。

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雨のなか、ジプニーに乘る。雨の夜のジープニーにゆられる。ジープニーは大好き。たまさか乗り合わせた全然知らない人たちが、不思議になつかしい人になっていくような小さな時空。

グレースが、イヤホンを半分くれて、お気に入りのロックバンドの曲を聞かせてくれる。日本のバンドらしい。半分英語、半分日本語の曲が流れる。普通にラブソング。日本語のところを訳せってグレースがいう。そんな難しいことを。えっとね。 街は急ぎ過ぎる。anything happen from now, we don't know...みたいな。これから何おこるかわかんない。でも傍らに君がいて、ぼくたちは朝ごはんを食べる。breakfast.
日本の着物を着てみたいってグレースが言う。やめとこうよ。帯が苦しいよ。高いんでしょう、って言う。でも浴衣ならそんなに高くない。今度もってきてあげる、って私は言ったけど、覚えてるといいんだけど。

ジプニー乗り換えて夜の街を歩いて、着いたのはPJが入院している病院。おばあちゃんのベイビー先生とおばさんのジョイとロレンともうひとり女の子がいた。女ばかり4人姉妹のところに生まれた小さな男の子なので(末っ子のエライジャンの息子)、おばさんたちが夢中になってる。すごいかわいい男の子。熱も下がっていて、点滴の管につながれながらも、元気そう。

去年は、レティ先生が入院していた。あれはロビーにピアノがある大きな病院だった。去年と今年と、私のマニラ観光は病院。全部違う病院。

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グレースとリテックスまで戻ると、歩道橋の上から、市場の灯りと車の灯りが、すごくきれいだった。ディズニーランドみたいだよねえ。市場のパラソルがカラフルで。 夜10時。帰ると、休んでいたレティ先生が起きてくる。テーブルの上にお願いしといたカードのサインは、終わってない。サインしてサイン。たった150枚だから。

8月6日帰国の日。
早朝5時。鶏が起こしてくれる。5時半、ジュリアンが来て、荷物を車に運んでくれる。レティ先生が車椅子で入口まで来て見送ってくれる。

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