星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

がんばれと言われても

「もしかしたら、ぼくの仲間かもしれない、発達障害かもしれない人たちのことなんだけど」
と息子が言った。
「先生に目をつけられているというか、注意されることが多いと思う」
1年のときのクラスでは、洪水ちゃんがしじゅう担任に説教されていた。
いまのクラスには、「ぎりぎりちゃん」がいて、自転車通学だが、毎日遅刻寸前または遅刻。1時間目が音楽の日は、教室の騒がしいのがいやで、大幅遅刻または1時間まるごと欠席する。
洪水ちゃんは大きな声で、しゃべりたいときにしゃべりたいことをしゃべるのだが、ぎりぎりちゃんは、ちいさな声でひとりごとをぶつぶつ言う。そして授業中よく寝る。今日は寝ないでくださいね、と数学の先生に言われて、わかりましたと答えてすぐに寝ている。
それでしばしば担任に呼び出されている。

そういえば、高校のときの同級生に、毎日遅刻してくる女の子がいた。先生に理由を聞かれて「理由はありません」と答えていた。ほんとうに理由はないのだと言っていた。そういえば、私も中学校の頃、遅刻魔だった。歩いて10分のところに住んでいたけど。とくに理由はないんだけど、けっこう、おっくうなんです。人がたくさんいるから、教室に入ってゆくの。職員室に呼び出されても、無視しつづけたら(だって職員室こわいし)、そのうち呼び出されなくなって、叱られた記憶もないけど。

もちろん、洪水ちゃんやぎりぎりちゃんが、発達障害かどうか、ほんとのところ、私たちにはわかんないことなんだけど、そういうところで目立つっていやだなと思うんだけど、なぜかそうなってしまう、というところのやるせなさには共感するらしく、たぶん発達障害なんだろうなと、息子は思うのらしかった。

先生に目をつけられたらかなわないので、息子は、できるだけ目立たないように、ステルス性高く生きようと、がんばっている。朝、無駄に早く登校するのは、教室に人があんまりいない時間に到着するため。

「がんばれ、と言われたって、困るよな、とぼくは思った」というのは、水泳の授業の話。
泳げないし、プールは深いし、溺れないでいるのが精一杯なのに、先生が「がんばれ」と声をかけていく。無理だろ、そんなの。
無理だわ。
泳げる、というのがどういうことか、私もさっぱりわからないし。水泳の授業は全力でさぼってたし。

息子、さぼらずに前向きなのが、ほんとえらいと思うわ。

がんばってくれたらいいと思う。洪水ちゃんもぎりぎりちやんも、私の息子も。