天罰とか陰陽師とか密告とか

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息子、学校から、いじめに関するアンケートを持って帰ってきていた。何も書くことはない、と言う。「陰キャ、死ね」と言われるが、書くほどのことではないらしい。
それに、人を陰キャ認定している騒がしい連中が陽キャというんなら、ぼくは陽キャになんか絶対なりたくない。陰キャ上等、なのである。
それで、陰キャとも陽キャともつきあえる人を、陰陽師、と言うのだそうだ。笑ったね。

さて、息子に「陰キャ、死ね」と言ったKは、ある朝、始業前に廊下でスーパーボールを投げて遊んでいたのが、Kが投げたボールがまさかの火災警報器に命中で、サイレン鳴り響き大騒ぎになって、まあ、Kと遊んでいた数人はそのまま生徒指導室かどっかに連行されてゆき、その日は教室に戻ってこなかった。
「天罰だね」と学年トップの女子は冷たく言い放ったらしい。
「謎の連帯責任」(と息子は言う)とかで、臨時の学年集会もあったらしい。それが定期考査直前の週末。K以外の数人は週明けには教室にもどってきたが、Kは一週間ほどしてようやく教室に戻ってきた。
そのKが、これまで息子の名前を呼んだことがなかったのが(しかし、以前に噂になった女子の名前で呼んだり、からかったりなので、息子は断固無視していた)、あるとき君つきで息子の名前を呼ぶのでしょうがないので返事したら、それから、ふつうに名前を呼んで挨拶してくるようになったらしい。(しかし、どこに落とし穴があるかわからわからないから気は許さない、と息子は言っている。)

学校に騒ぎのもとのスーパーボールをもってきたIは、そのあと、漫画をもってきているのを見つかった。それでIは、俺だけじゃない、と言ったのだった。持ってきていたのはもちろん漫画だけじゃないので、許可なくスマホを持ってきているとか、それを授業中に見ていたとか、みんなのことを密告した。
また「謎の連帯責任」学年集会があり。それで、いじめアンケートとあわせて、それら校則破りについて、自己申告および、目撃したことを書くための用紙を持って帰っていた。

息子、自己申告については、学校帰りに自販機でジュースを買ったとか、バス通学なのだが、寄り道をしてわざと違う路線に乗って、遠回りをして帰ったとか(乗ったことのない路線なので一度乗ってみたかったらしい。むろん親には内緒だった)だが、目撃はたくさんある。一番腹立たしいのは、バスのマナーが悪い(騒いでうるさいので耳が痛い)ことで、それは書く。スマホについてもそのほかについても書く。ちょっと感心したのは、誰が、について、よく知らない人たちが、と書いているのだった。よく知らない人なので注意もできない、と言い訳するためでもあるのだろうが、もちろんよく知っている人たちだ。

で、ばれるものはばれる。Sは自分のことはたいして書かずに、他の人のことはすべてぶちまけて書いていたそうで、男女問わず、優等生たちも、次から次へとひとりずつ、呼び出されていたそうだ。
なかには、呼び出されたことがショックで、食事も喉に通らないほど落ち込んでいたという純情な男子もいたらしいんだけど。
ところで、息子は気づいた。あれこれ息子にしかけてきては、「おまえ先生にチクるんだろう」と言っていた連中こそが、ここぞとばかりによろこんで密告者になっているのだった。

ところで。洪水ちゃんは、定期考査の点数を「何点でしたか」と聞きに来たらしい。彼女の口からはなんでもこぼれてしまうので危険すぎる、「言いません」と息子は答えた。
洪水ちゃんが、遅れて教室に入ってきたとき、Oが彼女に中指立てて見せた。するとそれを見たHが、「○○、なんで中指立ててんだよ」と息子にぬれぎぬを着せたらしい。ぼくじゃないと言ったが、おかげで、みんなに変な目で見られた、のが、今日のむかつく出来事。
Hはあれこれ声をかけてくるが、ちゃんと名前で呼ばない限りは絶対返事をしない、振り向いたら負けと決めて無視しつづけている、そうだ。次に天罰くだるか自滅するのはHだろう、と息子は思っている。

というのも、小学校のときに、息子を脅してこわがらせた男子、が、いま地元の中学でいじめられて不登校になっている、という話を聞いて、息子は驚いたらしい。自分がしたことはいつか、自分の身に返ってくるよ、と思ってはいるが、本当にそうなんだ。

さて、洪水ちゃんだが、自分はどうもみんなに嫌われているらしい、相談にのってほしいと、特別支援担当の先生にカウンセリングを申し込んでお話ししたらしい。常識のある振る舞いをして、と言われたらしいのだが、さて、教室にもどってくるなり、洪水ちゃんはラアラアとお歌を歌っていたそうで、だからそこが、と息子は思ったらしいんだけど。で、そういうことが全部息子の耳に入っているっていうことは、洪水ちゃん、全部しゃべってるんだな。