故郷の夕焼け

宇和島、って文字を、読んだり書いたりするのが恥ずかしいのはなんでだろうなと、ずっと思ってはいたんだけど。愛媛とすると、すでによそよそしくて他人事のようだけど。
茂木健一郎「東京藝大物語」気楽に読んでいたけど、大竹伸朗さんが出てきて、宇和島、って出てきたあたりで、いきなり胸が痛い。というか、宇和島、という3文字だけが、この本のなかでショックだった。

なんかなあ。秘めた恋を言い当てられた感じ、かなあ。
じぇらしーかなあ。


夕焼けがきれいだったよねえ。ずっと、夕焼けがきれいであってくれたらいいなあと思う。
そう思う私は、その夕焼けのなかにいられない。

方言を話さなくなった自分。たぶんもう、帰省しても話せないんじゃないかな。方言の世界にいないっていうのは、生き方の感覚がちがってしまう。双子のわたしの片っ方がぐったり弱ってるのを、なすすべもなく見ている感じ、いつも何か嘘の言葉で生きている感じ。

でもそもそもは、方言の世界からはみ出してしまう自分がいて、出ていかないとしょうがなかったんだよ。

というようなことは、日頃考えないのですがっ。

  わたしの骨の耳は母さんの声を聴く(見てごらん夕焼けがきれいよ)