2017年8月 Paaralang 4

8月3日木曜日。
この日もレティ先生は病院。2か所の病院をまわってくるという。2年前に骨折で入院して骨粗鬆症が判明して以来の車椅子生活なのだが、血液検査その他いろいろ問題があって、頭痛もあって、薬も通院も欠かせない。次男のボーンが仕事なので、長男のジョジョが来ていた。

私たちはジプニーでエラプ校へ。Cimg8257



トモコちゃんが小学校の先生なので、近くの小学校に見学に行けないかしらと思ったんだけど、手紙も出してなくて許可ももらっていないのに、突然行っても無理だよというので、あきらめる。でもレティ先生の次女のジンジンは以前、公立小学校の先生をしていたから話を聞けるよ、ということで、連絡してくれた。
来て、待っていてくれた。トモコとジンジンと2階でお話。Cimg8245

クラスでは、前日にひきつづいて、野菜の名前や、体の部分の名前を覚えていた。英語とタガログ語を一緒に覚えていく。それからお絵かき。

パヤタス・カード、とは、挨拶の文面とレティ先生のサインの横に、子どもたちの絵を貼ったもの。支援してくださった方に、領収書変わりに送らせてもらっている。それで今年も、1年分のパヤタスカードを持って帰りたいと、お願いしていた。
22年前に支援をはじめたときからずっと同じスタイルでやってきたのだが、その間、大きく変わったのは、通ってくる子どもたちの年齢層だ。
小さい子が絵をかくのは、なかなか大変なので、乱雑な絵などは、先生たちや奨学生たちがせっせと手を入れて、仕上げてくれていた。
こんなパンギット(下手くそ)な絵をスポンサーさんに送れない、と言ってマガンダー(きれい)にしてくれる気持ちもわかるし。
でも、低年齢化がすすむにつれて、それも大変になってきていた。Cimg8255




それで、思いきってお願いした。今年からパアラランは、もうとても小さい子が来るのだから、パンギットはあたりまえ、パンギットでいいから、パンギットな絵をちょうだい。

私の子が絵、というか何かかたちのあるものをかくようになったのは、4歳を過ぎたころだと思う。色だけをひたすら塗っている子、いくつか小さい〇をかいたら飽きた子、いろいろだけど、全部OKです。
頭足人間がいた。頭から手足が出ている人の絵。子どもの絵に国境はないなあと思った。いっとき頭足人間ばっかりかいてた時期が私の子にもあったなあと思い出してなつかしかった。Cimg8265

ジンジンの話では、パアラランの先生のなかで、教職の試験にパスしたのはクリステル先生だけ。リサもイエンもダニエルも、教職コースの単位はとったけど、試験は難しいみたいだ。私立の学校などで働いた経験も必要らしい。クリステル先生は試験はパスしたけど、何か資格が足りないのと、それからクリステル先生の故郷のほうでは、就職にはコネも必要らしく、それがない。

午後、パヤタス校。V-actのメンバー18人来て、午前午後合同のクラスで、授業まるごと担当してくれる。イエン先生とクリステル先生と、奨学生のジョネルとリサ先生がサポート。Cimg8280




5歳の子どもたちだと思っていたから、学生たちが準備したプログラムのいくつかは、すこし難しかったと思う。それでも、手作り石鹸を使っての手洗い指導は、小さい子にも必要だし、楽しかったし、よかった。かたくなにしゃがもうとしない子がいて、彼女のためには、水の入ったたらいの方を、手もとまでもちあげた。

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紙芝居は、伝わったかな、微妙。次の日、クリステル先生に、もっとカラフルな色がいいし、もっと大きな声で感情をこめておおきな身振りで、とコメントしてもらっていた。カルタは2日目なので、女の子たちも楽しんでいた。
カルタの絵がかわいくて素敵だった。

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さて、みんなから離れて、毎日ひとりで教室を徘徊している女の子がいて、彼女が本棚からひっぱりだした絵本を見て驚いた。友人の絵本作家さんの絵本。
4年前にV-actの学生さんたちがはじめて来たとき、たくさんの絵本をもってきてくれた。日本語を英語になおして、さらにそれをタガログ語になおして、もってきてくれたのだ。パヤタス校とエラプ校にそれぞれ置いてあって、自由にさわれる。まさかここに、友だちの本があるなんて。

いちにのさんぽ。Cimg8322