夏休み１日目の午後は、個人懇談。
Ａくんは悪い子でも乱暴な子でもないんですよ、と言われる。それはそれでほっとする。問題は、体の大きなＡくんの元気な接触をうちの小さいのが受け止められない、ということなのだ。ほかの子なら、叩かれて叩き返して、笑って仲良し、ということになるのかもしれなくても、この子どもにとってはそうならない。なぜかわからないけど、叩かれた、ということしかわからない。で、それをこわいと思っても、びっくりしても、叩かれて泣いちゃう自分のほうを恥ずかしいと思うから言えない。Ａくんが謝ってくれて、やっと、「これからはたたかないで」が言えてほっとしたというとこですか。
私が小学校１年のころのことだけれども、自分が悪いと思うんです。靴箱から靴が消えても、それはなぜかわからないけど、自分の失敗のように思えるし、机のなかに給食の残飯を捨てられても、そういうめにあうのも、そういうことをさせてしまう自分が悪いように感じるから、誰にも言えない。
そういうふうに認識がゆがんでしまうことが心配なんです、いやだと思ってもいやだと言えなくなってしまうこと、そうして自尊感情が損なわれていくことが心配なんです、という話をすると、先生、それは勉強になります、と言う。
そのほかは何も問題なく、スケジュール変更とか、気持ちの切り替えの難しいところも、前もって説明してもらうことで、やっていけているみたい。秋の運動会が心配ですが、幼稚園ではリトミックがまったくできない、運動会でも体操はまったくしない、というふうだったんですが、体育の時間はどうでしょうと聞くと、プールもふつうに準備体操していますよ、と言われて驚く。できるんかい。
ということは、運動会、なんとかなるかも。かも。
１年生のとき、クラスの女の子に髪をさわられるのが、すごくいやだったのを思い出した。きれいな髪だねって言ってくれて、美容院ごっこするんだけど、それがとってもいやで、痛いというか気分が悪くなるというか、いやなんだけど、やめてって言っても、向こうは悪いことしてると思ってないから、またすぐさわるんだよね。
たったそれだけのことなんだけど、私はまりちゃんがこわかったです。別のクラスになったとき、これで髪さわられないと思ったら、心底ほっとした。
子どもも髪さわられるのがきらい。散髪は５分以内。それ過ぎると泣く。
話を聞くかぎり、Ａくんにはわりとしっかり叩かれているが、もしもたいした叩かれ方でなくても、泣いてしまうのだとしたら、気持ちだけじゃなくて、触れられることに対する感覚過敏がすこしあるかもな。
そういえば療育のクラスで一緒だったＹくんは、いつも頭を撫でてくれる保育士さんがこわくて（つまり頭を撫でられるのがこわくて）、クラスに行くのをぐずって、いつも遅刻していたのだ、ということが、ずっと後になってわかったんだけど。
夏休み２日目の午後は療育の診察。
体つきがしっかりしてきましたね、と言われて、そういえばそうだなあと思う。毎日あの坂道を片道３０分ほども歩いていたら、いやでもしっかりすると思う。学校に行くのをいやがるということはないですか、とまずそれを心配してくれる。今のところまったくそれはない。
歌える、体操ができる、ざわざわしたところでも、耳栓が必要ない（でも療育のフロアで小さい子が騒がしくしていると耳をふさいでいたから、気持ちがなじんでいるところの騒がしさと、そうでない騒がしさは話が別なのだろう）と、５か月間の変化はすばらしくて、予想以上にいい調子です、しっかり乗り越えていっていますね、と言ってもらう。
叩かれた、ということについては、ただ、叩かれたという直線的な理解しかしないのがアスペルガーですから、聞くときに間口をひろげて聞いてみてください。相手は笑っていたか、怒っていたか、強く叩いたか軽くだったか、叩くにも、いろんな叩くがありますからね、と言われたのが新鮮だった。親もアスペルガーなので、子どもが思いいたらないことは、親も思いいたらないのだ。ともあれ、いじわるな叩くではなかったようなので、それはよかった。
ピアノは好きなようですね。モジベーションを高くもつのに、非常に役に立ってると思いますよ。声かけをするのに、はやく、とかではなくて、アレグロで、とか音楽用語を使ってあげると、動きますよ、とアドバイスしてくれる。
それはいいことを聞いた、さっそく、夜使ってみた。はやく着替えて、アレグロでやってくださいって言ったら、いきなり生き生きしてきて、アレグロじゃなくて、なんとかかんとかと言ったなあ、アレグロよりもっとはやいやつでやるよ、とか言って、ほんとに動いたわ。こりゃおもしろい。
次回は半年後くらいに、でも、もし学校に行きたがらないというようなことがあったら、すぐに来てください。
ということで、かなりいい感じです。外から見たらどうってことない１年生だけど、この数ヶ月、アレグロの成長ぶりだったのだ。
がんばったよね。
Ａくんは悪い子でも乱暴な子でもないんですよ、と言われる。それはそれでほっとする。問題は、体の大きなＡくんの元気な接触をうちの小さいのが受け止められない、ということなのだ。ほかの子なら、叩かれて叩き返して、笑って仲良し、ということになるのかもしれなくても、この子どもにとってはそうならない。なぜかわからないけど、叩かれた、ということしかわからない。で、それをこわいと思っても、びっくりしても、叩かれて泣いちゃう自分のほうを恥ずかしいと思うから言えない。Ａくんが謝ってくれて、やっと、「これからはたたかないで」が言えてほっとしたというとこですか。
私が小学校１年のころのことだけれども、自分が悪いと思うんです。靴箱から靴が消えても、それはなぜかわからないけど、自分の失敗のように思えるし、机のなかに給食の残飯を捨てられても、そういうめにあうのも、そういうことをさせてしまう自分が悪いように感じるから、誰にも言えない。
そういうふうに認識がゆがんでしまうことが心配なんです、いやだと思ってもいやだと言えなくなってしまうこと、そうして自尊感情が損なわれていくことが心配なんです、という話をすると、先生、それは勉強になります、と言う。
そのほかは何も問題なく、スケジュール変更とか、気持ちの切り替えの難しいところも、前もって説明してもらうことで、やっていけているみたい。秋の運動会が心配ですが、幼稚園ではリトミックがまったくできない、運動会でも体操はまったくしない、というふうだったんですが、体育の時間はどうでしょうと聞くと、プールもふつうに準備体操していますよ、と言われて驚く。できるんかい。
ということは、運動会、なんとかなるかも。かも。
１年生のとき、クラスの女の子に髪をさわられるのが、すごくいやだったのを思い出した。きれいな髪だねって言ってくれて、美容院ごっこするんだけど、それがとってもいやで、痛いというか気分が悪くなるというか、いやなんだけど、やめてって言っても、向こうは悪いことしてると思ってないから、またすぐさわるんだよね。
たったそれだけのことなんだけど、私はまりちゃんがこわかったです。別のクラスになったとき、これで髪さわられないと思ったら、心底ほっとした。
子どもも髪さわられるのがきらい。散髪は５分以内。それ過ぎると泣く。
話を聞くかぎり、Ａくんにはわりとしっかり叩かれているが、もしもたいした叩かれ方でなくても、泣いてしまうのだとしたら、気持ちだけじゃなくて、触れられることに対する感覚過敏がすこしあるかもな。
そういえば療育のクラスで一緒だったＹくんは、いつも頭を撫でてくれる保育士さんがこわくて（つまり頭を撫でられるのがこわくて）、クラスに行くのをぐずって、いつも遅刻していたのだ、ということが、ずっと後になってわかったんだけど。
夏休み２日目の午後は療育の診察。
体つきがしっかりしてきましたね、と言われて、そういえばそうだなあと思う。毎日あの坂道を片道３０分ほども歩いていたら、いやでもしっかりすると思う。学校に行くのをいやがるということはないですか、とまずそれを心配してくれる。今のところまったくそれはない。
歌える、体操ができる、ざわざわしたところでも、耳栓が必要ない（でも療育のフロアで小さい子が騒がしくしていると耳をふさいでいたから、気持ちがなじんでいるところの騒がしさと、そうでない騒がしさは話が別なのだろう）と、５か月間の変化はすばらしくて、予想以上にいい調子です、しっかり乗り越えていっていますね、と言ってもらう。
叩かれた、ということについては、ただ、叩かれたという直線的な理解しかしないのがアスペルガーですから、聞くときに間口をひろげて聞いてみてください。相手は笑っていたか、怒っていたか、強く叩いたか軽くだったか、叩くにも、いろんな叩くがありますからね、と言われたのが新鮮だった。親もアスペルガーなので、子どもが思いいたらないことは、親も思いいたらないのだ。ともあれ、いじわるな叩くではなかったようなので、それはよかった。
ピアノは好きなようですね。モジベーションを高くもつのに、非常に役に立ってると思いますよ。声かけをするのに、はやく、とかではなくて、アレグロで、とか音楽用語を使ってあげると、動きますよ、とアドバイスしてくれる。
それはいいことを聞いた、さっそく、夜使ってみた。はやく着替えて、アレグロでやってくださいって言ったら、いきなり生き生きしてきて、アレグロじゃなくて、なんとかかんとかと言ったなあ、アレグロよりもっとはやいやつでやるよ、とか言って、ほんとに動いたわ。こりゃおもしろい。
次回は半年後くらいに、でも、もし学校に行きたがらないというようなことがあったら、すぐに来てください。
ということで、かなりいい感じです。外から見たらどうってことない１年生だけど、この数ヶ月、アレグロの成長ぶりだったのだ。
がんばったよね。
