7歳の春

福島第一原発大事故にかかる共同声明
チェルノブイリ原発事故から25年の日に
http://www.cnic.jp/modules/news/index.php?storytopic=27



曇り空から今にも雨が降りそうだった。1986年の4月26日。 Photo_2

記憶のなかで、あの日の夕方に会った母子は年をとらないが、買ってもらったばかりの雨合羽を抱えた女の子も、すでに32歳になるんだ、と思いいたって、ふとめまい。(途中で家庭教師をやめてしまった、できの悪いお姉さんのことは、後生だから思い出さずにいてほしい。)

 チェルノブィリ事故のゆうぐれ子のために雨合羽買う母たちを見た
 春はまたチェルノブィリにめぐりきてしずかに消えつづけるいのちは
               野樹かずみ『もうひとりの(以下略)』

チェルノブィリ事故から25年めの春。
気づけば私は、あのときの女の子と同じ7歳の子どもの母親になっている。
7歳のこの春、私の子どもの自由帳には、壊れた街の絵があふれている。
倒れたビル、工場、ひっくりかえった船、車、電車。
尋常ではないだろうなあ。

これは、巨大なガムに呑み込まれた街の絵。