アシナガバチ

家の2階の通風孔のところにハチが巣をつくっていた。
夕べ、隣の奥さんが来て、言っていく。
私は知らなかったが、パパは気づいていたらしい。でも高いところにあるし、別段、迷惑でもなかったし、季節が過ぎればなくなるので放置していたが、苦情がきたんならしょうがない。
午後、屋根にのぼる。
さしあたり通気口をふさいでしまおうと、そっと近寄ったが、ハチ、出てきた。
刺された。首と左手と2か所。痛いのなんのって。
私の後ろからパパと、ベランダから息子が、殺虫剤で戦ってくれる間、痛いのこらえて、段ボールで穴をふさいだ。


洗って消毒して薬塗って冷やす。パパはアナフィラキシーを心配するが、ただ腫れて痛いだけで、そんな大変なことではない。
だが、パパの復讐心に火がついたらしく、仕事から帰ってきたが、ふさがれた巣の前でぶんぶんしているハチたちに、これでもかというほど殺虫剤ぶっかけたらしい。
とりあえずふさいだダンボールが剥がれ落ちたので、なかの巣に向けても殺虫剤噴霧して、殲滅した、らしい。

私は庭で、息もたえだえのハチ一匹拾って、息の根とめて、台所のテーブルに置いて、息子を呼んで観察する。体の部位、足の数、触覚と毒針。これはアシナガバチです。

子どものころミツバチに刺されて、20代のころムカデに刺されて、それ以来かな。痛いし、ごはんつくるの、面倒だと言ったら、もちろんもちろん、つくらなくていいよってことで、買い置きのカップ麺が晩ごはん。息子がたいへん喜んでいた。

それで、息子の週末の宿題の作文のテーマは、アシナガバチの観察、でした。

ハチが巣を壊されるリスクを冒しても、人間の家のなかに巣をつくるのは、台風の被害を予知してのことだという話もあるらしいのだが、そろそろそういう季節で、注意報が出る度に、防災無線のお知らせが鳴る。去年みたいにひどいことにならないといいんだけど。