放射線被ばくを考える
原子力資料情報室より転載
http:// www.cni c.jp/mo dules/n ews/
モニタリングのデータが公表されるようになった。一時、公開が止められていたとの報道もあった。ただ、公開と同時に添付されている被ばくの影響に関する説明は誤解を招くものだ。また、報道で専門家が「直ちに人体に影響を与えるものでない」と説明することに憤りを感じる。
そこで、放射線被ばくの考え方を整理してみた。
被ばく線量の推定には、本来ならどのような放射能がどれだけ放出されたのかという基礎的なデータが必要だが、これが公開されていない。そこで、今の段階では、かなり粗いものであっても、各個人が自分の被ばくを推測して、判断する目安を得ることは有益だろう。
①単純に被ばくを計算する
例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が測定されたと仮定しよう。
この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、とりあえず被ばく線量が出てくる。24時間では480マイクロシーベルトとなる(20×24=480)
②内部被ばくを計算しよう
人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。この線量を計算することは難しいが無視することはできない。初めに書いたようにどの放射能がどれくらい出ているか分からないからだ。ここでは大まかに2倍とする。そうすると、24時間で960マイクロシーベルトとなる(480×2=960)
③乳幼児や子供は放射線への感受性が高い
乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考えられている。ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になるとの評価もある)。
乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960×2=1920)。
④被ばくの影響を考えよう
専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは急性障害を与える量250ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)のことを意味しているようだ。あるいは、人によっては100ミリシーベル トの被ばくのことを意味しているように思われる。これを基準に考えることは高い被ばくを容認することになる。
微量は被ばくでも発がんのリスクを高める。発がんのリスクは被ばくの量に応じて高くなる。例えば、国際放射線防護委員会は1ミリシーベル トの被ばくで、将来10,000人に1人のガン発生が考えられるとしている。この評価には、倍くらい厳しく見るべ きとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。
⑤被ばくは極力避ける方が望ましい。が、少しの被ばくで大慌てする必要もない。
被ばくを低く抑えるには、①離れる、②時間を短くする、③身に付かない(吸入しない)ようにすることが原則。モニターの値が高い時にはできるだけ外出を控える、外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策 が考えられる。屋内は屋外に比べて、被ばくは2~3倍くらい少なくなる。
モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震への対応」で得ることができる。
http:// www.kan tei.go. jp/jp/k ikikanr i/jisin /201103 11miyag i/index .html
☆☆☆転載おわり
どこまでが危ないか。こういう考え方もあり。 http:// takedan et.com/ 2011/03 /11_0ba 1.html
さらに、東京の子どもについても、学校は休校にしてもいいくらいだ、という意見もあり。
どこまで危険か、なんてわかりませんが、雨に濡れないように気をつけましょう。
テレビを見ると、ただちに健康被害はない、と政府も学者も繰り返し言うのですが、「ただちに」に注意したいと思います。
10年後、20年後のことは、何も言っていません。
手元に「世界のヒバクシャ」(1991年中国新聞社)という本があります。古い本ですが、ひさしぶりに埃のなかからひっぱりだしてみた。
スリーマイルの事故のことも載っている。近くの農場は汚染されて荒れ放題。野生の鹿たちは左右の角がふぞろいで、奇形。農場主は、トウモロコシの葉が白くなり、牛の出血死や受胎率の低下、自分や姉の体の異常を語るが、原発側は、「多少の放射能は出たが、がんの原因になったり、環境に悪影響を及ぼすほどの汚染はなかった」と言った。
事故から10年たって、隣町のある地域では、ガンの発生率が6倍になった。でも数値的には、16キロ地点でも、32キロ地点でも、「異常なし」なので、「事故による人体への影響は見られない」。それを調べた日本人の学者は「科学者として冷静に影響を調べ、万一に備えるのが私の使命ですから」と穏やかに答えたそうです。
原子力資料情報室より転載
http://
モニタリングのデータが公表されるようになった。一時、公開が止められていたとの報道もあった。ただ、公開と同時に添付されている被ばくの影響に関する説明は誤解を招くものだ。また、報道で専門家が「直ちに人体に影響を与えるものでない」と説明することに憤りを感じる。
そこで、放射線被ばくの考え方を整理してみた。
被ばく線量の推定には、本来ならどのような放射能がどれだけ放出されたのかという基礎的なデータが必要だが、これが公開されていない。そこで、今の段階では、かなり粗いものであっても、各個人が自分の被ばくを推測して、判断する目安を得ることは有益だろう。
①単純に被ばくを計算する
例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が測定されたと仮定しよう。
この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、とりあえず被ばく線量が出てくる。24時間では480マイクロシーベルトとなる(20×24=480)
②内部被ばくを計算しよう
人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。この線量を計算することは難しいが無視することはできない。初めに書いたようにどの放射能がどれくらい出ているか分からないからだ。ここでは大まかに2倍とする。そうすると、24時間で960マイクロシーベルトとなる(480×2=960)
③乳幼児や子供は放射線への感受性が高い
乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考えられている。ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になるとの評価もある)。
乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960×2=1920)。
④被ばくの影響を考えよう
専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは急性障害を与える量250ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)のことを意味しているようだ。あるいは、人によっては100ミリシーベル トの被ばくのことを意味しているように思われる。これを基準に考えることは高い被ばくを容認することになる。
微量は被ばくでも発がんのリスクを高める。発がんのリスクは被ばくの量に応じて高くなる。例えば、国際放射線防護委員会は1ミリシーベル トの被ばくで、将来10,000人に1人のガン発生が考えられるとしている。この評価には、倍くらい厳しく見るべ きとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。
⑤被ばくは極力避ける方が望ましい。が、少しの被ばくで大慌てする必要もない。
被ばくを低く抑えるには、①離れる、②時間を短くする、③身に付かない(吸入しない)ようにすることが原則。モニターの値が高い時にはできるだけ外出を控える、外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策 が考えられる。屋内は屋外に比べて、被ばくは2~3倍くらい少なくなる。
モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震への対応」で得ることができる。
http://
☆☆☆転載おわり
どこまでが危ないか。こういう考え方もあり。 http://
さらに、東京の子どもについても、学校は休校にしてもいいくらいだ、という意見もあり。
どこまで危険か、なんてわかりませんが、雨に濡れないように気をつけましょう。
テレビを見ると、ただちに健康被害はない、と政府も学者も繰り返し言うのですが、「ただちに」に注意したいと思います。
10年後、20年後のことは、何も言っていません。
手元に「世界のヒバクシャ」(1991年中国新聞社)という本があります。古い本ですが、ひさしぶりに埃のなかからひっぱりだしてみた。
スリーマイルの事故のことも載っている。近くの農場は汚染されて荒れ放題。野生の鹿たちは左右の角がふぞろいで、奇形。農場主は、トウモロコシの葉が白くなり、牛の出血死や受胎率の低下、自分や姉の体の異常を語るが、原発側は、「多少の放射能は出たが、がんの原因になったり、環境に悪影響を及ぼすほどの汚染はなかった」と言った。
事故から10年たって、隣町のある地域では、ガンの発生率が6倍になった。でも数値的には、16キロ地点でも、32キロ地点でも、「異常なし」なので、「事故による人体への影響は見られない」。それを調べた日本人の学者は「科学者として冷静に影響を調べ、万一に備えるのが私の使命ですから」と穏やかに答えたそうです。